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Debian最新事情

第1回:Debianの最新版「etch」をインストールしませんか?(前編)

著者:日本Linux協会会長  野首 貴嗣   2007/7/13
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Debianの最新版「etch」をインストール

   Linuxディストリビューションには商用製品やボランティアベースで開発されているものなど、様々な種類があります。

   本連載では、その中でも完全に無償で利用できる環境を目指し、それを実現している「Debian GNU/Linux(以下Debian)」のインストール方法について説明します。対象とするバージョンは、2007年4月8日にリリースされた最新版4.0(コードネームetch)です。

インストールを行う前に

   まず、どのような目的で利用するかを明確にしておきましょう。Debianは、サーバ用途だけでなく、デスクトップやラップトップ向けなど、様々なパッケージ群が用意されています。本連載では、まずデスクトップ向けのインストールを説明し、そこからサーバとしての機能を追加していく形で解説を進めていきます。


インストールメディアの準備

   Debianをはじめてインストールする人から「CD/DVDのイメージがたくさんあって、どれを使えばよいのかよくわからない」といわれることがよくあります。筆者のおすすめは、必要最低限のパッケージのみ収録されている「netinst」、もしくは1枚に様々なアーキテクチャとソースコードが含まれている「multi-arch」のいずれかです。

   今回は、x86版(32bit環境)のnetinstを用いて説明を行います。netinstイメージは以下のミラーサイトから取得が可能です。


   上記のファイルをいわゆるisoイメージとしてCD-Rに書き込み、インストールメディアとします。


環境

   Debian 4.0のインストールには、i486以上のCPUと48MB以上のメモリ、そして400MB以上のHDDが必要です。よほど古い環境でなければ、多くのPCがこれらの条件は満たしているでしょう。

   今回は上記の条件に加え、以下のものが用意されているという前提で説明します。

  • ブート可能なCD-ROMドライブ
  • 中身の入っていない、もしくは中身を消してもよいHDDが1台
  • ネットワークインターフェースが1つ
  • DHCPで接続可能なネットワーク環境
  • httpで外部と通信できる環境(proxyを含む)

表1:前提条件

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日本Linux協会会長 野首 貴嗣
著者プロフィール
日本Linux協会会長  野首 貴嗣
1999年よりNamazu Projectに開発者として参加し、現在のバージョン2.0系列におけるプラグイン関連の設計を主に担当した。2000年よりDebian Project開発者としてパッケージのメンテナンスを中心に活動。2002年より特定非営利活動法人フリーソフトウェアイニシアティブの理事も勤めている。

Namazu Project
http://www.namazu.org/
Debian Project
http://www.debian.org/
特定非営利活動法人フリーソフトウェアイニシアティブ
http://www.fsij.org/


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