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ソーシャル・ネットワーキング・サービスのビジネス利用
第3回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングの目的を達成するには
著者:
イースリー 戸辺 淳一郎
2006/4/4
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ECサイト以外の業種でのSNS実例
ここで、ECサイト以外の業種でSNSを活用している実例を見てみましょう。今回取り上げるのは、実際にcomnitを使ってSNSを構築して学生向けの就職支援サービスを行っているA社です。A社はSNSが登場する前から会員制サイトを企業と学生の交流の場としていましたが、昨年SNSを知ったことをきっかけに、SNSが両者間の結び付きを一層強化できるのではないかと思い、comnitを導入しました。
この場合のコミュニティサイトは企業と学生の交流の場ですので、会員は学生と企業の人事担当ということになります。既存の会員制サイトからクチコミにより招待された高い目的意識や関心を持った学生や企業が集まってくるため、会員同士が「本音」を交えた情報を意欲的に交換しています。こういう部分にも質の高いコミュニティが構築できるというSNSの特長があらわれており、イベントなども活発に行われています。
もちろん、事務局側もイベントを主催しています。学生同士のコミュニケーションでは次のイベントに一緒に参加する約束を交わすということも盛んに行われているので、学生にとっては「仲間を作る場」、運営側にとっては「継続的で持続力のある会員を増やせる場」となっています。まさに、顧客が顧客を連れてくるという図式が成り立っているのです。
また、当初の想定を上回るほど企業の人事担当者も参加しています。彼らが日記(企業の本音・企業の顔など)を書いて積極的に情報開示をすることで、他企業からのアドバイスを得ることができ、企業間での親睦が深まることもあるようです。もちろん、学生にとっても社会人である先輩から様々なアドバイスを貰えることは、就職を考える上で大いに役立っています。
今の学生は広告に左右されやすい傾向にあります。学生が本質的な情報を得るための最高の環境を提供できることがこのコミュニティの目標であり、それが達成された時にはしっかりとしたブランドを確立できるでしょう。
今回のまとめ
最後に今回の内容を表5に簡単にまとめました。
コミュニティ内の会員の同行に目を向け、今後の戦略に役立てる
CGM(Consumer Generated Media)の重要性を理解し、これを促進するように努める
ブランドとは企業と顧客との約束である
ブランド構築には4つの要因を意識する
安定稼動しても手を抜かず、さらに事務局を強化する。ファシリテータは会員から募ってもよい
表5:今回のまとめ
次回からは、これまで説明してきたような仕組みを実現するためのSNSのエンジンの機能と、その開発現場でどういったことを行っているのかを紹介していきたいと思います。少し技術よりのお話になってしまうと思いますが、お付き合いいただければと思います。
参考文献
「ソーシャル・ネットワーク・マーケティング」
著者:山崎秀夫
出版:ソフトバンクパブリッシング株式会社
「マーケティング実践講座」
著者:須藤実和
出版元:ダイヤモンド社
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製品紹介
「SNSエンジン、comnit(コムニット)」
本連載は株式会社イースリーおよび株式会社ラソナの開発したSNSエンジン、comnitの利用ケースをもとに記事を掲載しています。
comnitで作り上げたコミュニティを生かして、お客様のマーケティング手法に合わせた実践的なケースをご紹介いたします。
詳細はコチラ
http://www.comnit.jp/
http://www.e-3.jp/
著者プロフィール
株式会社イースリー
代表取締役CTO 戸辺淳一郎
2003年8月にイースリーを設立。Webシステム構築の請負、パッケージ開発を行うかたわら自社サービスの展開を目指している。Webアプリの開発の現場においては、最高の品質を提供できるようにすることを追求している。現在では主にプロジェクトマネジメントに携わっているが、現場の技術から離れないように、毎日趣味でのプログラミングも欠かさない。毎日何かを吸収しないと気がすまない。
INDEX
第3回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングの目的を達成するには
STEP4:イベントの開催
消費者から発信する情報であるCGM
ブランドの確立
ECサイト以外の業種でのSNS実例