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XMLによるコンテンツ制作プロセスの改善 |
第2回:最新Flashコンテンツ対応CMS構築事例
著者:メタジトリー 丸山 則夫 2006/8/17
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CMSの技術的遷移
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本連載では、2回にわたって筆者の関わった2つの例を解説しました。CMSはXMLを適用させたことにより多く発展していますが、その勢いはまだまだ続きます。最後にCMS動向のまとめとして、米国におけるCMSに関するこの7年のマーケットの変化を紹介しましょう。
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2000年 〜 XMLの特長を活かしたCMSの注目期 |
この時期は多くのベンダがXMLを用いたCMSをマーケットに送り出した時期です。この頃に登場した製品の特長やXMLの適用範囲は多種多様であり、それぞれの持つ技術の差が商品の売りになった時代でした。ちょうどこの時期はSGMLからXMLへの移行期でもあり、ユーザが抱える膨大なSGMLのデータをどう利用させるかということが課題といわれていました。そのため、コンテンツの管理機能もベンダによって差がありました。
そのころのCMSシステムは製品に閉じられた中でのコンテンツ管理が主であり、外部のデータと連携させるような製品はほとんどありませんでした。大規模・中小規模用といった利用推奨規模や扱うコンテンツの定義も製品によってまちまちでした。例えば、印刷用途のデータの管理をドキュメント管理、Webブラウザで利用する部分をコンテンツ管理というベンダもいました。
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2002年 〜 CMSのエンタープライズ(統合)化 |
この頃に急激な市場の変化が起こりました。2001年9月11日に米国にてテロが起こり、XMLのマーケットはその影響を少なからず受けたと思います。そのような中、CMSの企業統合の動きが急激に起こりました。西海岸のCMS関連のベンチャー企業の撤退が目立ちました。そして、エンタープライズCMSの登場でCMSの市場は大きく変わったといえるでしょう。
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2004年 〜 プロセスマネジメント重視 |
CMSは最近注目を集めています。多くのエンタープライズCMSを提供しているベンダは、違う視点でビジネスプロセスマネジメントを売り文句にしています。
エンタープライズCMSで定着し始めた機能として、製作工程から公開するまでのプロセスの管理機能があげられます。コンテンツ制作担当とその担当間のやり取りに伴うコンテンツが連動するのです。「いま誰が何をしていて、それははたして順調であるか」「作業が終わったら今度は誰に渡せばよいか」「いくつジョブが滞留しているか」などが考えられます。
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2006年 〜 内部統制への対応とナレッジとしての発展 |
最近では内部統制が話題に上っています。その中で情報システムの処理だけではなく、作成する文書およびコンテンツのプロセスの明文化が迫られています。企業にとって重要な文書(コンテンツ)はその作成過程が可視化でき、作られたドキュメントについてもその利用状況を個人レベルでの特定できる記録があって、健全な企業活動が行われていることが証明されます。現在では多くの企業はその領域に入ってきており、作成する文書の明文化をXMLにより実現するケースが目立ちます。
そういった流れの中で、CMSの重要性とその機能の装備が行われているのです。また今後の起こる変化として、プロセスマネジメントの充実とより人間性の高い、マルチメディア、オントロジーやセマンティックの領域に進むことがあげられます。
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まとめ |
以上で本連載は終わりますが、本連載をCMSのパッケージ選択もしくは自身で構築する時の判断材料に活用していただければと思います。
これから、CMSは企業の発展(進化)とともに発展してきます。企業の社会的な責任が問われる中、コンテンツマネジメントは制作や公開の効率化が目的だった仕組みからプロセスとそれにともなう情報を可視化し、企業経営をより透明性を確保する仕組み変わってきています。
そして今後のCMSは制作する人や利用する人という区別から、だれもが制作者・利用者の双方向サービスとなり、そこで扱うコンテンツは、ライトなものからユーザビリティや視野性に優れたよりリッチなものとなっていくでしょう。
CMSの将来性は果てしなく広がっていますが、そのサービスのコアとなるものがXMLであることを忘れずにいてください。
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著者プロフィール
株式会社メタジトリー 代表取締役社長
日本BPM協会 理事 丸山 則夫
経営と情報システム連携をコンセプトとして、システム再構築のコンサルティングビジネスを実施。
ビジネス・プロセスに着目したBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)の活用が情報化社会の進歩に必要と捉え、市場定着とそのための組織化を推進中。
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