既述のCMSに対する要件を充たすためには、最新の技術を組み合わせて対応する必要があります。文章・画像・音声が混在したコンテンツはXMLの記述によって連携しており、コンテンツ自身はFlashをエンジンとしています。そのため、「メニュー記述や音声・画像ファイルの指定」「動作時間・効果・順番」「画面の自動遷移の指定」ということがXMLの適用部分となります。
またいくら最新技術を組み合わせるといっても、利用者が簡単に扱うことができなければ意味がありません。そこで、本事例のCMSは「誰でも扱えるCMS」というコンセプトで構築しました。
これを実現するためには複雑なシステムではなく、できるだけ容易なシステムになるようにしました。具体的にいうと、Flashに関する部分をすべて隠蔽化して、XMLの既述によりFlashが動作するようにしました。このことによって、利用者はFlashの言語を意識することなくFlashコンテンツを制作し、再利用して活用することができるのです。
XMLサンプル:画像と音声と文字の合成部分
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS" ?>
<xmlData>
<element name="" style="" title="">
<image_set>
<image file_url=*****.jpg" time_range="****" effect="f***" />
</image_set>
<sound_set>
<sound file_url="*****.mp3" />
</sound_set>
<article_set>
<article title="" time_range="****" effect="****">
<p>************</p>
</article>
</article_set>
</element>
</xmlData>
またこのCMSのコンテンツの動作は、XMLの記述で外部からコンテンツを制御する仕組みとなっており、コンテンツが変更した時にXMLの記述を変更するだけでコンテンツも同時に変更されます。この方式により、ビジネスモデルが大きく変わりました。
図2:FlashにXMLを適用したCMSアーキテクチャ概念
それはこのCMSを導入したB社は制作ポリシーが反映したコンテンツ制作できるようになり、従来のデザイナーの経験だけに頼ったコンテンツ制作ではなくなりました。さらにXMLでコンテンツを管理しているために、計画から制作完了までの期間は3分の1、コストは5分の1になりました。
また現状ではXMLファイルをそのまま使用していますが、今後はXMLをコンテンツ制作者やコンテンツ管理者に見せないようにする予定です。このことによって、利用者はXMLを意識せずにCMSを簡単に扱えるようになります。
このような改善効果はXMLの適用によって実現しています。コンテンツ制作者とFlashの間にXMLを配置して、コンテンツの内容/形式/動作をXML上にて関連性を持たせて連携させたことが「誰でも扱えるCMS」を実現したのです。
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