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VMware ESX Server サーバ統合ガイド
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第2回:仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法

著者:デル   2006/8/4
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クラスタ、DR環境構築の留意点

   特に高い可用性が求められるシステムについては、別の物理サーバ上に展開した仮想マシン同士でクラスタリングするという方法もある。ただし、この場合はVMotionの対象にはできないので注意が必要だ。そのため、どの程度のダウンタイムが許されるのかによって、クラスタリングか、あるいはVMotionを使って管理者が直接仮想マシンを移動するかを判断する。

   また、DRの環境構築については、以下の3つの方法がある。
  1. 仮想マシンを停止し、その環境をDRサイトにコピーする
  2. サーバベースのレプリケーションソフトを導入する
  3. ストレージベースのレプリケーションソフトを導入する

表1:DRの環境構築の方法

   どの方法を選択するかは、それぞれのシステムの要件に応じて判断することになる。


STEP3:物理サーバから仮想マシンへの移行

   次に物理サーバから仮想マシンへの移行について解説する。


P2Vアシスタントの利用

   物理サーバ環境で運用しているシステムを仮想マシンへ移行するには、VMware社が標準で提供している「P2Vアシスタント」を使用する。P2Vとは「Physical to Virtual」の略で、その名のとおり「物理から仮想へ」の移行を支援するツールとして仮想マシンのイメージを自動的に作成する。移行には、以下の3つの方法がある。

  1. OS、アプリケーション、データとも移行する
  2. OSは新規でインストールし、アプリケーションとデータを移行する
  3. OSとアプリケーションを新規にインストールし、データのみ移行する

表2:物理サーバから仮想マシンへの移行方法

   それぞれにメリットとデメリットがあるため、移行対象のシステムに適した手段を選ぶ必要がある。ちなみに長時間の停止が許されないサーバについては、必然的に3の方法を採ることになる。


Information

   仮想化システムの構築例は、Dell|EMCブリーフィングセンター(新宿三井ビル55階EMCジャパンJSC内)のデモコーナーで見ることができます。プランの作成にお役立てください。

  1. 仮想マシンの作成、管理
  2. 仮想マシンの独立性確認
  3. Virtual Centerからの一元管理
  4. VMotion
  5. ハードウェア監視ツール(Dell OpenManage)とVMotionの連携
  6. ストレージベースのバックアップツールとの連携(RDM)

表3:主なデモンストレーション内容

Dell|EMCブリーフィングセンター
図7:Dell|EMCブリーフィングセンター

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第2回:仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
  STEP2:仮想化環境の設計
  典型的なVMwareのシステム構成例
  RDMを活用した、バックアップ運用
クラスタ、DR環境構築の留意点