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隠されたニーズを引き出すXMLデータベース |
第2回:その要求と分類
著者:ピーデー 川俣 晶 2006/2/7
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XMLデータベースとは何か
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前回は、RDBでは上手く扱うことができないニーズが存在することについて説明した。つまり、これから開拓すべきニーズがまだ多数眠っているということである。そして前回の最後には、XMLデータベースがそれを解決する技術であると紹介した。
そこで、今回は「XMLデータベースとは何か」をXMLデータベースの分類も踏まえて説明していく。
そして次回に、RDBが満たせなかったニーズをXMLデータベースがいかにして満たすかについて説明していく。
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XMLビジネスの惨状
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XMLデータベースを一言でいえば、XML形式のデータを記録・検索するためのデータベースである。
しかし、「なぜXMLデータベースが必要とされるのか」や「XMLを使うこととXMLデータベースを使うことはどのように違うか」を理解するには、まずXMLについて知らねばならない。
そこで、軽くXMLについてのおさらいをする。
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XMLとは
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XMLとは、Extensible Markup Languageの略であり、WWWの標準を定める団体であるWorld Wide Web Consortium(W3C)より1998年に勧告(Recommendation)されたメタ言語である。
メタ言語とは、言語を作るための言語である。このように説明すると非常にわかりにくいという印象を持つ読者も多いが、それは間違いではない。
ここでは、XMLは言語を作る手段だと理解すればよいだろう。そこで作られる言語には、広い世界で使われるものもあれば、特定の組織内限定といった狭い世界で使われるものもある。
広い世界で使われる例は、インターネットのコンテンツを記述する言語であるXHTMLなどがある。一方狭い世界の例は、特定の会社の人事情報を記録するための専用言語というようなものである。
これらの言語は、何かの情報を電子形式で保存するために使用される。ここでは、以上のように理解しておけばよい。XMLを理解することは難しいが、この記事を読むにはこの程度の理解で十分である。
XMLは難しいという認識は必ずしも社会的に共有されたものではない。XML普及の初期の段階では、普及を最優先とするために、XMLは簡単でわかりやすいという主張が多く行われたが、これは必ずしも適切ではなかった。
なぜなら、XMLをわかっていないにも関わらず、XMLをわかったと思いこんだ多くの人たちを生み出し、彼らがXMLビジネスを主導するような形になってしまったからである。
当然、正しい理解を欠いた者たちが主導するビジネスが上手くいく訳がない。XMLビジネスの大半は、まさに死屍累々という惨状である。XMLの専門雑誌を刊行する動きはいくつかあったが、いずれも数回の発行で終了している。
またXMLを用いたビジネスの目玉とされていたのは企業間の電子商取引である。しかし紙の見積書や請求書がすべてXMLにより標準化された電子文書で交換される時代は到来する気配もない。
それとは別にXMLを用いた技術の本命とされたWebサービス(SOAPというプロトコルを用いた分散処理)も盛り上がりを見せない。例えば、SOAPとライバル技術の両方を公開して提供したサービス業者の場合、SOAPよりもライバル技術の利用者の方が多いという結果を残している。
つまり、これがXMLビジネスの惨状である。
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著者プロフィール
株式会社ピーデー 川俣 晶
株式会社ピーデー代表取締役、日本XMLユーザーグループ代表、Microsoft Most Valuable Professional(MVP)、Visual Developer - Visual Basic。マイクロソフト株式会社にてWindows 3.0の日本語化などの作業を行った後、技術解説家に。Java、Linuxなどにもいち早く着目して活用。現在はC#で開発を行い、現在の注目技術はAjaxとXMLデータベース。
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