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踊るエンジニア 〜システム開発現場の風景
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第8回:さらば愛しきプロジェクトマネージャー

著者:ビーブレイクシステムズ  鹿取 裕樹   2005/9/20
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はじめに

   小柄で白髪の穏やかそうな男性を前にし、私はいささか不安な気持ちを抱いていました。

   筆者はあるプロジェクトに開発リーダーとして参加することになり、この日に初めてプロジェクトマネージャーと顔をあわせました。小柄で白髪の男性こそがそのプロジェクトマネージャーでした。

   「この人は何歳なのだろうか。技術的な知識はあるのだろうか。」

   これまで自分が経験してきたシステム開発プロジェクトの開発側のメンバーは比較的若い人ばかりであり、もっとも上の人でも40代でした。そのためこれが、そのプロジェクトマネージャーを見た時の正直な感想でした。しかし、すぐにその考えを改めることになりました。


システムの概要

   今回のシステムは、あるサービス業の企業のコールセンターシステムです。

コールセンターシステムの概要
図1:コールセンターシステムの概要
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   システムのユーザは、コールセンターのオペレータと一般顧客です。コールセンターにサービスの申し込みの電話がかかってきたら、オペレータはシステムを用いて、その顧客の情報を検索します。

   そして申し込まれたサービスが、既に利用している他のサービスと重複していないかなどを調べた後、問題がなければ申し込みを受け付け、システムに登録します。

   また、コールセンター経由だけではなく、Webサイトからも申し込みを受け付けます。一般顧客はこの企業のWebサイトにアクセスし、サービスを申し込みます。その際にもコールセンター経由の申し込みで行われるのと同様の確認をし、問題がなければ申し込みを受け付けます。

   システムの中核には商用のCRMパッケージを使用し、パッケージにない機能を追加開発することになりました。


システム構成

   システム構成は図2の通りです。CRMパッケージへの追加開発はJavaで行なわれ、フレームワークにはStrutsを使用しました。サーバのOSにはLinuxを使用しました。

システム構図
図2:システム構図


スケジュール

   スケジュールは全体で1年間で、筆者は要件定義終了後からプロジェクトに参加しました。

スケジュール
図3:スケジュール


プロジェクト体制

   プロジェクト体制は図4のように、業務コンサルティングチーム・CRM導入チーム・オペレータ向け機能開発チーム・Web機能開発チームの4つに分かれていました。筆者はWeb機能開発チームを担当することになりました。

プロジェクト体制
図4:プロジェクト体制

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ビーブレイクシステムズ
著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ  鹿取 裕樹
オープン系ITコンサルタント。SAPジャパン社にて、ERP導入コンサルティングを行い、そのユーザ企業の現場でJava及びオープンソースの躍動を感じ、それらに興味を持つ。その後、会社を設立。オープンソース及びJavaを用いたシステム提案活動を行い現在に至る。専門分野はSAP R/3と連携するWEBシステムのコンサルティング。


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