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サイボウズ流〜コスト削減になるグループウェア活用術〜

第2回:グループウェアで実現する年間数千万〜数億円のコスト削減

著者:サイボウズ  村松 康孝   2007/1/17
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活動基準原価計算とは

   「活動基準原価計算(ABC:Activity Based Costing)」という、間接費を管理するために考案された計算方法をご存知だろうか。これは、まず資源の原価を活動に割り当て、次にその原価の活動を基にして原価計算対象(製品など)のコストを計算する方法のことである。

   このABCによって、活動の分析を通じてプロセスのムダ(非付加価値活動)が明らかになるので、間接費のコスト計算をする際に役立つ方法とされている。

   この計算方法を使い、グループウェアの中で最もよく使われている「スケジューラー」「掲示板」「電話メモ」の3つの機能を100人規模の会社で使った場合のコスト削減効果を見てみよう。

全員でグループウェアを使うことがコスト削減につながる

   「第1回:企業システムの要となるグループウェア」では、グループウェアを全員で使うことがいかに大切であるかについて説明した。今回は、実際にグループウェアを社内全員で活用すると、どれだけ効果が得られるのかという点ついて紹介する。

   ご存知のようにグループウェアには、スケジュールや掲示板といった機能が搭載されている。これらの機能を活用することで、煩雑な作業の手間が減り、間接的なコストを大幅に削減することが可能になる。

   サイボウズの場合、特にユーザが利用している機能として「スケジューラー」と「掲示板」「電話メモ」の3つがあげられる。これらの機能をきちんと使うことで、100人規模の会社では年間約1,200万円のコスト削減になるのである。

   この値は会社の規模が大きけば大きいほど増加し、数千人規模の会社ではなんと数億円のコスト削減につながることもあるのだ。


「スケジューラー」で216万円のコスト削減

   まず「スケジューラー」とは、自分や社内メンバーのスケジュールはもちろん、設備の予約状況まで、時間に関係する社内情報をすべて一括して管理できる機能のことである。メンバーや設備の空き時間を、ワンクリックで一覧確認できるので、会議の調整などを簡単にスムーズに行うことが可能になる。

「サイボウズ Office」スケジューラー画面
図1:「サイボウズ Office」スケジューラー画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


会議を行うまでにかかる費用の実態

   この「スケジューラー」を利用せずアナログな方法で予定調整するケースについて、以下のような条件で考えてみよう。

  • 社員100人規模の会社
  • 会議室を使った4人での打合せが月10回
  • 同様の打合せを25組が行う

表1:会議の予定調整の例

   このようなケースでは下記の計算によって、年間252万円のコストがかかっていることになる。

「スケジューラー」によるコスト削減効果
図2:「スケジューラー」によるコスト削減効果

   では、この計算について詳しく説明していこう。

   4人で行う会議では、主導者の1人が残りのメンバー3人と予定を調整しなくてはならない。その主導者が電話などでメンバーの1人と予定を調整する際には、互いの時間が拘束される。仮に1人あたりの拘束時間が2分だとした場合、かける側と受ける側の2人分で4分が必要となる。

   さらに、同様の作業を残りの2人とも行わなくてはならないので、運よくそれぞれ1回の電話で調整できたとしても、3回×2人×2分の合計で12分が必要となる。予定の調整が済むと主導者は会議室の予約をとることになる。予約シートが置いてある場所に行くまでの移動に1分、記入に1分かかるとして、合計2分かかる。つまり、1回会議を行うためには、メンバーの調整と会議室の予約業務に毎回14分必要となる。

   先ほどの条件に照らし合わせてみよう。4人での打合せが月10回、年に120回あるとすると、14×120=1,680分となる。そして同様の会議を25組が行うとして、合計は1,680×25=42,000分だ。

   ホワイトカラー層の平均給与を年収600万円(分給、60円)とすると、42,000分×60円で、計252万円のコストが1年間に行われる会議の「予定調整だけ」にかかることになるのだ。


「スケジューラー」によるコスト削減効果

   同じような状況で「スケジューラー」を利用する場合は、なんと年間たったの36万円で済む。

   具体的には、アナログな方法で予定調整する時と違い、主導者1人がワンクリックで、メンバーや会議室の空き状況を確認でき、会議を同時にセッティングできる。それにかかる時間は2分ほどとなる。メンバー全員に電話したり、会議室の予約シートに記入するなどの手間はすべて省かれる。

   この結果を先ほどの条件に照らし合わせてみよう。4人の打合せが月10回、年に120回あるとすると、2分×120回=240分になる。同様の会議を25組が行うとして、合計は6,000分だ。同様にホワイトカラー層の平均給与を年収600万円(分給、60円)として計算すると、会議の予定調整のコストは6,000分×60円=36万円となる。

   つまり100人規模の会社では、アナログな方法を使う際は252万円かかり、「スケジューラー」を利用する場合は36万円で済むことがわかる。その差として、年間216万円のコストを削減することが可能になるのだ。

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サイボウズ株式会社 PRディレクター 村松 康孝
著者プロフィール
サイボウズ株式会社  PRディレクター   村松 康孝
米国デュルリー大学コミュニケーション学部卒。ITコンサルティング会社を経て、2003年にサイボウズ入社。入社後は、マーケティングコミュニケーション部でウェブマーケティングや広告、セミナー、広報など、プロモーション業務を幅広く担当し、現在はPRディレクターとして活躍。


INDEX
第2回:グループウェアで実現する年間数千万〜数億円のコスト削減
活動基準原価計算とは
  「掲示板」で会議にかかる時間と450万円のコストを削減
  「電話メモ」で518万円のコスト削減