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OSS導入実態
Linux/OSSの導入実態と今後の展望

第3回:オープンソースデータベースの導入状況
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩   2005/4/27
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オープンソースDBの使用システム

   オープンソースDBの導入ユーザと、今後導入意向があるユーザに対して、前者にはオープンソースDBを使用しているシステム、後者には使用したいシステムについて質問を行った。

   その結果、導入済みユーザの中でオープンソースDBを使用しているシステムとしては、Web系データベースが60.9%と最も多く、次いで51.6%の情報系データベースが続いている(図3)。
オープンソースDBの使用システム(複数回答可)
図3:オープンソースDBの使用システム(複数回答可)


   会計や販売管理など、日々の基幹業務で使われるような基幹系データベースは6.3%と少ない結果となっている。導入意向ユーザにおいてもWeb系データベースや情報系データベースが多いという傾向は変わらず、それぞれ44.8%と40.7%になっている。ただ、基幹系データベースへの導入意向が23.8%もあるということだけは大きく異なる点である。オープンソースDBもLinuxと同じように、基幹系システムへの導入に対する期待は高いということがこの結果からうかがうことができる。


オープンソースDBの導入理由

   オープンソースDBの導入理由について質問を行った結果、最も回答が多かったのは「TCO削減効果を期待」で57.8%となった。これは導入意向があるユーザでの理由としても最も多く77.3%となっている。ユーザでのデータベースに対するコスト意識は非常に高くオープンソースDBに期待している面があると言える。

オープンソースDBの導入理由(複数回答可)
図4:オープンソースDBの導入理由(複数回答可)


   2番目の導入理由としては、「機能・性能が優れている」が28.1%となっている。コスト面の評価だけではなく、ソフトウェアの性能的な面からも高く評価されているということが表れている。3番目の理由としては「システムの使用目的・用途に最も適している」が26.6%、その次は「ベンダー/SIerからの提案」が21.9%と続くという結果になっている。OSSの売りであり最大の特長である「独自で改良・拡張できる」は14.1%にとどまる結果となった。

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書籍紹介
「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」

本記事は矢野経済研究所より発刊されている「企業情報システムにおけるLinux/オープンソースソフトウェアの導入実態と今後の展望 2005」から抜粋し、加筆、修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。

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矢野経済研究所
著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所  入谷 光浩
民間総合調査会社である矢野経済研究所のITリサーチ部門にて、サーバやミドルウェアを中心としたエンタープライズコンピューティングのリサーチを担当。近年はエンタープライズにおけるOSSの市場動向に着目しリサーチを行っている。


INDEX
第3回:オープンソースデータベースの導入状況
  オープンソースDBの導入状況
オープンソースDBの使用システム
  オープンソースDBの品質満足度