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ソーシャル・ネットワーキング・サービスのビジネス利用
第2回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングを実践しよう!
著者:
イースリー 戸辺 淳一郎
2006/3/22
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悪いコミュニケーション促進の例
悪いコミュニケーション促進の例の1つとして、「バトン」という方法を紹介します。「バトン」とは、「回答内容が楽しみになるようなちょっとしたアンケート」を友人にお願いして、さらに同じアンケートを複数人に広めてもらうという手法です。
図6:悪いコミュニケーション促進"バトン"の例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
図6のバトンはチェーンメールと呼ばれ、インターネット上では禁止されている行為であり、最悪の場合はシステムリソースを食い尽くしてしまうものです。SNSのように閉じたネットワークの中で行う分には問題ないと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、自社のシステムリソースがいたずらに費やされていくのは面白いものではありません。
問題はシステムリソースのことだけではありません。会員の方にとっても害となりうるのです。指数関数的に広まったアンケートは、あっという間にコミュニティサイト内に広まります。そのうち同じアンケートが届くようにもなるでしょう。同じアンケートが何度も何度も届くところを想像してみてください。「余命1日」なんて何度も宣告されたくありませんよね。
今回のまとめ
さて、今回解説した手順が順調に進むと、会員の方の中から自発的に情報の発信がはじまります。グループを立ち上げたり、イベントを開催したり…。こういった自発的な情報発信には目を光らせてください。このような動きはグループにおける活動として見えてくることが多いですので、グループ活動をこまめにチェックしてください。
コミュニティサイトは生き物と同じで、最初はヨチヨチ歩きです。ほったらかしてはダメになってしまうこともあります。手はかかりますが、愛着を持って育ててあげれば必ず大きく頼もしいものになります。そして、どのように変化していくかは育ての親である事務局側でもはかりしれません。そういう部分が難しくもあり、また楽しくもあるところです。コミュニティサイト作りには最大限の愛情を注いであげてください。
最後に今回の内容を簡単にまとめましたので、復習代わりにご確認ください。
初期会員の不足を補うために一般公募を行うのもよいが、会員の質を落としてはいけない
質を維持しつつ一般公募を行う場合は、応募資格を定め、しっかりとそれを審査する
ユーザの「何をすればいいの?」を解消するため、事務局側から最初のメッセージを送る
ユーザの操作にストレスを与えないように、ユーザ体験を意識したユーザビリティをこころがける
事務局側で模範となる行動をとり、コミュニティサイト内の文化を作る
コミュニケーション促進とはいえ、チェーンメールに頼ってはいけない
表7:今回のまとめ
次回は、作り上げたコミュニティを成長させていく段階からのお話です。成長したコミュニティから何を得ることができるのでしょうか。次回もお楽しみに。
参考文献
「ソーシャル・ネットワーク・マーケティング」
著者:山崎秀夫
出版:ソフトバンクパブリッシング株式会社
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製品紹介
「SNSエンジン、comnit(コムニット)」
本連載は株式会社イースリーおよび株式会社ラソナの開発したSNSエンジン、comnitの利用ケースをもとに記事を掲載しています。
comnitで作り上げたコミュニティを生かして、お客様のマーケティング手法に合わせた実践的なケースをご紹介いたします。
詳細はコチラ
http://www.comnit.jp/
http://www.e-3.jp/
著者プロフィール
株式会社イースリー
代表取締役CTO 戸辺淳一郎
2003年8月にイースリーを設立。Webシステム構築の請負、パッケージ開発を行うかたわら自社サービスの展開を目指している。Webアプリの開発の現場においては、最高の品質を提供できるようにすることを追求している。現在では主にプロジェクトマネジメントに携わっているが、現場の技術から離れないように、毎日趣味でのプログラミングも欠かさない。毎日何かを吸収しないと気がすまない。
INDEX
第2回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングを実践しよう!
STEP1:集客
STEP2:コミュニケーションを育む
事務局側が準備すること
悪いコミュニケーション促進の例