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第2回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングを実践しよう!
著者:イースリー  戸辺 淳一郎   2006/3/22
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事務局側が準備すること

   eFutsalコミュニティではユーザビリティに配慮するという意味で、各画面にユーザをナビゲートするためのヘルプメッセージを追加しました。別枠でFAQのページを設けるより、その場で操作に関する疑問が解決されるため、初心者の方でも使いやすいものとなりました。これらのヘルプメッセージの追加は事務局側で行います。
ヘルプメッセージの例
図4:ヘルプメッセージの例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   事務局が模範となる行動をとることも重要です。誰でも真似できそうな簡単な日記を毎日更新したり、ちょっとしたグループを立ち上げたりする姿を見せることで、会員の方々は何をすればよいかわかるようになります。

   次に表5の2の「興味のあるグループがない」という問題を解消するために、事務局側でグループを作成します。最初の会員は質を重視するためにある程度の条件に当てはまる集団になっていることが多いと思いますので、その集団で議論しやすい、または議論してほしいテーマに着目してグループを作成します。イースリーでは表6のグループを事務局側で作成しました。

グループ ファーストトピック
フットサルグッズにこだわります 好きなメーカはどこ?
○○チームファン集合! 今年の注目選手○○はどう?
フットサルうまくなりたい… とっておきの練習方法を公開しよう!

表6:事務局側で作成するグループの例

   グループを作成する際には必ず他の方が参加しやすいトピック(ファーストトピック)も同時に立ち上げることを忘れないようにしましょう。また、グループ内での会員の声は貴重なマーケティングデータとなるので、意味のある情報が得られるかどうかも考えてグループを作成するとよいでしょう。


STEP3:文化を作る

   こうして最初の会員がコミュニケーションをとりやすい環境を作ることでコミュニティサイトは次第に活性化されていきますが、ただ単に盛り上がってくればよいというものではありません。

   質のよいコミュニティということを意識するのであれば、トーン&マナーの問題を軽視できません。トーン&マナーとはトンマナなどとも略されることがあり、一種の業界用語のようなものですが、簡単にいってしまうと「雰囲気とお行儀」のことです。

   最初の会員はコミュニケーションの取り方の手本として、先輩会員の言葉使いや振る舞いのテイストなどを真似します。初期の段階では先輩会員というのは事務局側のユーザに当たります。事務局側のユーザの「雰囲気とお行儀」がそのままそのコミュニティサイトの文化になっていくのです。

   コミュニティは同調効果を生みやすい場ですので、このような細かいところまで注意して事務局側のユーザ全員の意識を高めることが重要です。最初の雰囲気作りがうまくいけば、後はおのずと文化が形成され、目指しているテイストのコミュニティサイトになっていくことでしょう。

同調効果の影響
図5:同調効果の影響

   コミュニティサイトが成熟するまでの序盤の雰囲気作りが、その後のコミュニティサイトの文化に大きく影響をあたえます

   ここまでのSTEP2とSTEP3で、良いコミュニケーションの育み方と、文化の形成の仕方を説明しました。逆に、悪いコミュニケーションの育み方や文化の形成の仕方というものもあるのでしょうか。

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本連載は株式会社イースリーおよび株式会社ラソナの開発したSNSエンジン、comnitの利用ケースをもとに記事を掲載しています。

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http://www.e-3.jp/
株式会社イースリー 代表取締役CTO 戸辺淳一郎
著者プロフィール
株式会社イースリー
代表取締役CTO   戸辺淳一郎

2003年8月にイースリーを設立。Webシステム構築の請負、パッケージ開発を行うかたわら自社サービスの展開を目指している。Webアプリの開発の現場においては、最高の品質を提供できるようにすることを追求している。現在では主にプロジェクトマネジメントに携わっているが、現場の技術から離れないように、毎日趣味でのプログラミングも欠かさない。毎日何かを吸収しないと気がすまない。

INDEX
第2回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングを実践しよう!
  STEP1:集客
  STEP2:コミュニケーションを育む
事務局側が準備すること
  悪いコミュニケーション促進の例