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〜システム発注担当者の悩みを解決します〜

第6回:発注担当者に必要なもの(1)
〜業務知識とIT知識、業務フロー〜

著者:システムクリエイト  田中 徹   2004/12/22
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IT知識

   システム開発の窓口になる情報システム部に所属している社員や発注担当者なら、IT知識に詳しいことが望ましいですが、必ずしも精通していなければならないということではありません。逆に詳しいと思っているだけで、実は古い知識や考え方から抜け出せない方も多いようです。

   最低限知っておかなければならない事もありますが、
広く浅く知識を取り入れることで、開発会社のSEからの説明を理解できるスキルを身につける方がいいでしょう。雑誌やインターネット等で、稼働環境、データベース、言語や開発手法などに触れ、どんなシステムにはどんな環境で稼動させるのがいいのかという情報収集を怠らないようにして下さい。また、最近の主流は何かということも知っておいた方がいいでしょう。

   たとえばデータベースを例にとっても、今回のシステムではどのデータベースがいいのかということについては、将来性、汎用性、いままでのシステム資産活用などを考慮してSEと相談して決めることになりますが、データベースの活用についてまったく知識がなく、全て開発会社任せでは情報システム部・発注担当者としての役割を果たしていません。

   打合わせの段階では、要望とは別に、発注側から色々な意見を投げてみましょう。そういう姿勢が開発会社に「発注側もシステム開発ということに対して勉強している」という印象を与え、よりいいものを開発しようと思わせる一端になります。

   例えば「最近『オープンソース開発』ということをよく聞きますが、今回のシステムにはどうですか?」という質問をしたとしましょう。開発会社ではその利点や他の手法との比較などを説明し、発注担当者に意見を求めます。その結果、その手法での開発が将来的に有効であれば、採用してもいいでしょう。ほとんどの事柄については開発会社と相談して決める事になると思いますが、問題提起がいつでもできる姿勢を持つのも発注担当者としてのスキルです。


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著者プロフィール
システムクリエイト有限会社  田中 徹
代表取締役。1963年生まれ。MS-DOS時代から、汎用機−PCでのデータ送受信を行ってのチャート(金融業)、表・グラフ描画(財務系)などのシステム開発を行う。 社内人事管理(勤怠・人材活用)、流通業、制御系の分野や集計業務なども手掛ける。ソフトウェアハウスや大手開発会社まで多数の現場で開発を経験し、33歳で独立。現在は各業種・分野でSEとして、またシステムコンサルタントとして活動中


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