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Hinemos
運用管理ツール「Hinemos」完全利用ガイド

第2回:Hinemosを利用した運用管理はこうなる!

著者:NTTデータ  大上 貴充   2006/12/11
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計画的なジョブ実行

   Hinemosでは、スケジューリング機能により計画的なジョブ実行を定義することが可能です。日次、週次、月次の定期的なジョブ実行や、日時指定のジョブ実行を設定することができます。

   今回定義したサンプルジョブネットを日次ジョブとして、毎日4時30分に起動するように設定するには、起動させたいジョブネット(ジョブ)を選択し、図8のように設定します。
スケジュールの設定
図8:スケジュールの設定
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   「スケジュール」の設定では、cronと同等の設定が可能です。指定した時刻になるとジョブネット(ジョブ)が実行されます。例えば、以下のように設定すれば、毎月1日の4時にジョブが定期実行されます。空欄はワイルドカードとして利用できます。

月:空欄    日:1日    時間:04時    分:00分

   今回はご紹介できませんが、カレンダ機能やジョブの遅延監視機能(ジョブの開始、終了遅延を監視)、ジョブ変数などを利用することで、さらに細かなジョブ管理も可能となります。


実行中のジョブネットに対するオペレーション

   Hinemosでは、実行したジョブネットに対し、GUI上から停止や再開などの制御を行うことができます。

   実際にオペレーションの一例を紹介します。

   今回のサンプルジョブネットでは、あるジョブで処理に失敗してしまった場合、ジョブネットを中断し、以降のジョブは実行しないように設定されています。ここでは、失敗した処理を手動で実行し、正常に処理できたことを確認した後、ジョブネットのその後の処理を従来通り実行するといったケースを想定します。

   3つの業務サーバに対して実行される「AP停止ジョブ」のうち、1つのサーバ(APSERVER1)で停止処理に失敗したとすると、ジョブネットの実行状態は、図9の画面のような状態となります(失敗時のスクリプトからの戻り値は255とします)。

ジョブネットの実行状態(異常発生時)
図9:ジョブネットの実行状態(異常発生時)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ノードごとの実行履歴画面にて、APSERVER1のシェルスクリプトの戻り値が255であったことがわかります。

   その後、APSERVER1のアプリケーションサーバ停止の失敗原因を調査し無事停止することができました。中断されていたジョブネットを再開したいと思います。異常が発生したノードのジョブを「停止」処理により、正常に終了した状態に訂正します。具体的には、終了値の値を正常終了値の範囲(この例では0)に変更します(図10)。

ジョブ終了値の変更
図10:ジョブ終了値の変更

   これにより、「AP停止ジョブ」は正常終了と判定され、以降のジョブが実行されます(図11)。

ジョブネットの実行状態(復旧後)
図11:ジョブネットの実行状態(復旧後)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


まとめ

   今回はHinemosが提供する機能の中でジョブ管理機能に焦点をあてて、具体的なサンプルジョブを元にその使用方法を解説しました。次回は障害監視やログ監視などHinemosの監視管理機能の使い方について紹介します。

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株式会社NTTデータ  大上 貴充
著者プロフィール
株式会社NTTデータ  大上 貴充
基盤システム事業本部 オープンソース開発センタ
2004年よりOSSを用いたシステム構築、運用管理ツールの研究開発に従事。現在はHinemosの開発メンバとして、より一層の機能充実、品質向上とコミュニティの創造を目指して活動中。


INDEX
第2回:Hinemosを利用した運用管理はこうなる!
  はじめに
  複数ノードに一気にジョブ投入
計画的なジョブ実行