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Eclipse 3.2とCallisto
第2回:Eclipse 3.2におけるリファクタリング機能の強化
著者:
ビーブレイクシステムズ 川崎 博之
2006/9/8
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クリーンアップ
クリーンアップは今回新しく追加された機能です。これはかなり強力機能で、複数のソースの複数の問題を修正してくれます。なお、ここでいう問題とはビルドした時に問題ビューで表示される問題ではありません。
以下にクリーンアップ機能で修正される問題をリストに示します。
コード・スタイル
制御ステートメント(if/while/for/do)でブロックを使用
ブロック記述を選択された条件に合わせて修正。
forループを拡張に変換
通常の"for"文が拡張"for"文に変換されます。
条件を括弧で囲む
条件式が評価順に括弧で囲まれます。
使用可能な場合、修飾子"final"を使用
privateフィールド、パラメータ、ローカル変数にそれぞれ適用されます。
メンバー・アクセス
非静的なフィールド・アクセスに"this"修飾子を使用
非静的なメソッド・アクセスに"this"修飾子を使用
静的なフィールド・アクセスの修飾
アクセスしているフィールドが定義されているクラス名で修飾されます。
静的なメソッド・アクセスの修飾
アクセスしているメソッドが定義されているクラス名で修飾されます。
静的なサブタイプをかいするすべてのアクセスの変更(間接アクセス)
スパークラスでのアクセスに変更されます。
静的なインスタンスをかいするすべてのアクセスの変更
静的な領域へインスタンスを介してアクセスしている箇所を修正します。
不要なコード
未使用のインポートの除去
未使用のprivateメンバの除去
クラス、コンストラクタ、フィールド、メソッドについて未使用のものが除去されます。
未使用のローカル変数の除去
不要なキャストの除去
不要な"$NON-NLS$"タグを除去
欠落コード
欠落している注釈を追加
欠落している'@Override'、'@Deprecated'注釈を追加します。
シリアル・バージョンIDの追加
表1:クリーンアップ機能一覧
利用方法は簡単で、パッケージ・エクスプローラで1つないし複数のソースを選択するか、エディッタ上で右クリックしてソース → クリーンアップで起動します。
図4:クリーンアップ画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
また、画面右側のプレビュー画面ではサンプルコードが表示されていて、チェック内容に応じた修正がリアルタイムに反映されます。
それでも実際にどのような修正が行われるか不安な場合は、次へボタンを押すと実際の修正内容が表示されます。あとは終了ボタンを押すだけで選択したソースに対して複数の修正が行われます。
図5:実際のソースコードのプレビュー画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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著者プロフィール
ビーブレイクシステムズ 川崎 博之
芝浦工業大学 工学部卒業。学生時代よりJavaに興味を持ち、Java専業ソフトハウスである黎明期のビーブレイクシステムズに入社し、現在に至る。入社当時はPMから直接厳しい指導を受け、机上の勉強とは違う実際の業務システム開発の難しさに戸惑いを覚えたが現在は主任Java開発者として活躍し、Javaアーキテクトを目指し、日々修行中。
INDEX
第2回:Eclipse 3.2におけるリファクタリング機能の強化
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