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FileMaker Pro
ビジネスの道具としてのデータベースFileMaker Proを使う

第4回:誰もが使える検索機能
著者:パステル   井上 利幸   2006/9/5
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対象レコードの拡大と絞り込み

   単純な検索であれば良いのですが、実際には「この条件かあの条件のどちらかを満たしていればいい」といった要望や「この条件かあの条件のどちらかを満たして、さらにどちらにしてある条件を持っていなければいけない」といった、抽象的に書くとわかりづらいのですが、こういった検索をすることが多いかと思います。

   FileMaker Proでは2つの条件のどちらかを満たしていれば良い、という条件の検索を2回に分けて実行することができます。先ほど「障害」が含まれている書名を持つ資料を検索しました。そこで、「病院看護」という言葉が含まれている資料も合わせて表示したいとします。つまり、今ある検索結果にさらに検索を行うわけです。

   それでは一覧表示モードの画面から再度検索モードに移動します。先ほどと同じようにすべてのフィールドは空白で表示されています。今検索した「障害」はどこにも表示されていませんが、気にすることはありません。

   今度は書名フィールドに「病院看護」と入力します。先ほどと違うのはここからです。先ほどは画面左側にある「検索」ボタンを押しましたが、今回はメニューの「検索条件」から「対象レコードの拡大」を選択します(図3)。
「検索条件」メニューの内容
図3:「検索条件」メニューの内容
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   検索結果は前回の検索結果と一緒になりますから、今回見つかった資料を合わせて3件が表示されました(図4)。

対象レコードを拡大後の結果表示
図4:対象レコードを拡大後の結果表示
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   同じように検索画面で条件を入力してメニューの「検索条件」から「対象レコードの絞り込み」を選択すれば、現在検索されている資料で次に指定された条件を満たしたものだけに絞り込むことができます。


検索条件の指定

   FileMaker Proは文字なら中間一致で、数値なら完全一致で検索してくれます。少し詳しい人なら日付の範囲や、ある数値以上といった高度な検索をしたいと思うでしょう。FileMaker Proにはこうしたデータベースで一般的な条件指定の仕組みを持っています。

   検索モードの画面で「検索」ボタンの上にある「記号」の「▲」ボタンを押すと、利用できる条件指定の記号を見つけることができます(図5)。
記号右の▲ボタンで表示される記号類
図5:記号右の▲ボタンで表示される記号類

   「>」や「<」といった一般的な記号と「…」や「~」といった見慣れない記号もあります。これらの記号は特殊な検索を実行するときに使います。例えば、外国語のカタカナ表記では「ベル」だったか「ヘル」だったか「ペル」だったか曖昧な時があります。

   こうした検索では「~へる」と入力することでひらがな/カタカナ、濁点/半濁点/濁点なし、拗音と促音などを区別しないゆるやか検索をすることができます。また登録番号、ID番号のように文字列で設定された番号の範囲や日付の範囲などは「00028739…00028900」のように「…」で範囲指定することができます。

   さらに同じ値が入力されているものを調べるときは該当のフィールドに「!」を入力するだけで重複のあるデータを簡単に検索することができます。いずれにしても難しい専門用語やコマンドを一切使わずにこうした高度な検索がすぐにできるのです。

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有限会社パステル 井上 利幸
著者プロフィール
有限会社パステル  井上 利幸
代表取締役
丸善株式会社で図書館システムを構築しながら、コンピュータ専門誌でExcelやFileMakerの記事を執筆していた。情報系のシステムでみんなが使えるツールを構築する仕事を得意とする。現在はITシステムや情報系システム構築のコンサルタントも引き受けている。


INDEX
第4回:誰もが使える検索機能
  FileMaker Proの柔軟な検索機能
対象レコードの拡大と絞り込み
  中間一致用索引の生成
  レコード処理