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ITコスト評価インデックスとITコストベンチマーキング
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第6回:IT投資局面におけるコスト削減アプローチ
著者:日本情報システム・ユーザー協会   2006/6/12
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ITオペレーティングコスト削減アプローチ

   既存情報システムのオペレーティングコストの削減は、ITインフラの使用量の適切な管理による無駄なITインフラ利用を避けることからはじまり、保守費用の削減に到るまで具体的な対策が存在する(図4)。
ユーザ企業におけるIT支出削減のアプローチ(IT投資局面)
表4:ユーザ企業におけるIT支出削減のアプローチ(IT運用局面)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   コンピュータシステムのオペレーティングコストは、効果的なキャパシティ予測に基づくコンピュータ容量の獲得で決まる。今後は、必要最低限のコンピュータ容量を借用する方が、自社購入で償却するよりも安価に活用できる時代となるか注意深く見守る必要がある。

   ネットワークシステムでは、IPネットワークを使用し回線使用料の削減を行うことが現在では重要なコスト削減策である。特に、ITオペレーティングコストの中で問題となるのが、アプリケーションソフトウェアの保守サービスコストの管理である。

   多くの企業が、ある程度のアプリケーション機能の改造、追加までをアプリケーション保守として行っており、効果的なアプリケーション保守のコスト管理が必要となる。


これからのアウトソーシングの活用

   欧米企業の中には、毎年5%以上の保守費用の削減を進めて、その削減で得たコストをIT投資に回すことを目指している企業が存在する。最近特に目立つのがERPパッケージをはじめとしたソフトウェアのメインテナンスコスト高であり、購入価格の20%以上を年間保守費用として要求する極端なソフトウェアベンダーもあり、今後はシステムライフを通じた投資金額でソフトウェア価格を評価しないとオペレーティングコスト削減に結び付けることは困難である。

   このために、OSS(オープンソースソフトウェア)の利用などで、本質的に安価なソフトウェアを駆使して経済的な情報システムを構築するスキルを獲得する必要がある。一方、既存情報システムをアウトソーシングし、抜本的なオペレーティングコスト削減を進めることもはじまっている。

   これからのアウトソーシングの活用としては、自社の優位性/差別化のため企業機密を守る必要がある仕組み以外は、共同利用方式/アウトソーシング方式で対応し、オペレーティングコスト削減に結び付けることが重要である。

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ユーザーの立場からの産業情報化の推進を目的とし、大手ユーザー企業を中心に、約250社の会員を擁し、経営とITに関する様々なテーマや、立場に応じた40以上の委員会、研究会、研究プロジェクトを実施し、毎年、各種調査・研究報告書の刊行や、提言を行っている。1962年、日本データ・プロセシング協会として創立、1992年社団法人日本情報システム・ユーザー協会として、全面的に拡充改組。
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第6回:IT投資局面におけるコスト削減アプローチ
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