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IBM Special Interview Linuxとオンデマンド・ビジネスの関係
IBM Corporation Linux Technology Center所長 ダニエル・ディー・フレイ(Daniel D.Frye, Ph.D.)

IBM Corporation Linux Technology Center
所長 ダニエル・ディー・フレイ(Daniel D.Frye, Ph.D.)

IBMのLinux開発チームのトップであり、IBMのLinux戦略とLinux開発コミュニティへの参画に関する責任を持つ。過去にはIBMが先進性のあるビジネスに取り組むために創設したEmerging Technologies and Business Opportunities teamのメンバーを務めていた。この間にLinuxとオープンソースに関するIBMのコーポレートストラテジーの原案を作成。以来、IBMのLinuxとオープンソースに関する戦略立案の中心的役割を担っており、社外でも数々のLinuxとオープンソースインダストリーグループのメンバーとなっている。


IBM Corporation オンデマンド・ビジネス ジェネラルマネージャー
ロス・エー・マウリー(Ross A. Mauri)

IBMのオンデマンド事業推進のリーダーとして、オンデマンド・ビジネス主導するための戦略立案と実行を担当。1980年に入社。セールス、マーケティング、開発などの多様な分野でのマネジメントを経験し、1993年には、ヨーロッパ、中東、アフリカを統括するクライアントサーバコンピューティングユニットのディレクターに任命される。ハードウェアの開発やマーケティングに関わる数々のポジションでの役員経歴を経て、IBMのUNIXとLinux戦略をリードし、2003年にはIBMのSystems Groupのバイスプレジデントに就任した。現在、IBM Worldwide Management Councilとコーポレートストラテジーチームのメンバーである他、OSDL(Open Source Development Labs)の会長も務め、エンタープライズコンピューティングへのLinuxの適用に貢献している。

IBM Corporation オンデマンド・ビジネス ジェネラルマネージャー ロス・エー・マウリー(Ross A. Mauri)
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   IBMは数々のオープンソースプロジェクトに参加しており、オープンソースの代名詞的な存在であるLinuxにも尽力を尽くしている。また「IBM Systems Agenda」の中でもOSSは重要な役割を果たしている。そこで、Linux Technology Center所長のDaniel氏とオンデマンド・ビジネス ジェネラルマネージャーのRoss氏にLinuxとIBMのビジネスの関係について話を伺った。


— まずは、Linux Technology Center(LTC)の活動内容について教えてください

Daniel氏 Daniel氏:LTCは、LinuxコミュニティとともにLinuxをよりよいものにして行くことを目的に1999年米国オレゴン州ビーバトンに設立されました。LTCはオープンソース開発を各開発コミュニティとともに行っているエンジニア集団です。


— LTCのメンバー数は何人ぐらいになりますか

Daniel氏:LTCは、アメリカ、ヨーロッパ、中国、インド、そして日本の大和研究所と全世界40ヶ国以上の国々で150を超えるプロジェクトに動いており、600人を越えるエンジニアがLinuxコミュニティに参画しています。


— それほどの人数がいると、共同で開発を進めるのは大変ではありませんか

Daniel and Ross氏 Daniel氏:私たちは各国で連絡を取り合って開発を行っているのではなく、オープンソース・コミュニティに対して連絡を取り合って開発を進めているのです。例えば、IBMに1人の開発者がいるとします。その人はIBMに向かって開発を進めているのではなく、コミュニティに向かって連絡を取り合い、開発を進めているのです。そういう意味で、コミュニティを介してコラボレーションをしている形態になっています。


— 開発した技術はコミュニティにどのように還元しているのでしょうか

Daniel氏:今のLinuxのソースコードを見てください。1999年からの貢献の結果として、どこを見てもすでにIBMが関わったソースコードがあります。われわれはLinuxの中でもとても重要な部分に関わっており、それはセキュリティや可用性に密接に関係している部分です。


用語解説
IBMのオンデマンド・ビジネス
  IBMはオンデマンド時代に向けて、中期戦略「IBM Systems Agenda」を発表。「Virtualization(仮想化機能の強化)」「Openness(オープンへの取り組み)」「Collaboration(協業・連携)」の3つを柱としたビジネスを推進している。
参考:ITインフラの新しい展望
http://www.thinkit.co.jp/free/trend/14/1/1.html
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