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Big Brother
Big Brotherによるネットワーク監視

第9回:トラフィック監視(後編)
著者:イー・モバイル  矢萩 茂樹   2006/6/27
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はじめに

   今回は前回の基本編に引き続きbbmrtg.plを使ったトラフィック監視の応用編です。今回取り上げるのは以下のトピックです。
  • パケット転送量などトラフィック以外の項目の監視
  • 複数の対象の監視追加
  • スイッチポートのトラフィック監視

表1:今回取り上げる内容

   最後に今回設定した内容を反映した設定ファイルをダウンロードすることができますので、実際に試してみてください。


トラフィック以外の項目の測定

   SNMPを利用することでインターフェースのデータ転送量だけでなくパケット転送量やルータ/スイッチのCPU使用率などを計測することも可能となります。bbmrtg.plはMRTGの計測データファイルを監視するので他のデータの監視に応用することもできます。

   リスト1はfw-upstreamインターフェースのパケット転送量(PPS)を測定するためのMRTGの設定です。

      リスト1:MRTG設定ファイルの追加部分(fw-upstreamのパケット
      転送量測定)
リスト1:MRTG設定ファイルの追加部分(fw-upstreamのパケット転送量測定)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)

   パケット転送量などの項目を測定するにあたり、測定項目名をトラフィック測定のものと区別するために「fw-upstream-pps」へ変更します。そして「Target[]:」部分に、パケット転送量を取得するためのMIBシンボル「ifInUcastPkts/IfOutUcastPkts」を指定しています。

   ここまでは通常のMRTGの測定指定ですが、bbmrtg.plでこの項目を測定するためには別の監視項目として認識させる必要があります。このためサービス名称を規定する「bb*svc[]:」の部分で「mrtg-pps」という新たなサービス名を指定しています。

   この設定をfw.cfgに追加し、BBを再起動することで図1、図2のように新たなリソース監視を追加することができます。

mrtg-pps監視の追加されたトップ画面
図1:mrtg-pps監視の追加されたトップ画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

mrtg-pps監視画面
図2:mrtg-pps監視画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   またこの測定項目は単位が「packet/sec」です。デフォルトでの単位は「byte/sec」ですので、この設定を変更する必要があります。表示単位の指定はbbmrtg.plの「bb*unit[]:」タグで行います。

   次にこの「bb*unit[]:」タグの使い方について解説します。


監視計測単位タグ(オプション項目)

   下記の測定項目で、行われているトラフィック監視の測定単位を設定します。

bb*unit[測定項目]: "表示単位"

   デフォルトではMRTGのY軸項目名「YLegend[]:」タグの設定に従います。また「YLegend[]:」が指定されていない時には「byte/sec」になります。CPU使用率の場合には「CPU utilization」と設定します。

設定例
bb*unit[fw-dmz-cpu]: "CPU utilization"

   この項目はオプション項目ですので、必要に応じて設定してください。

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イー・モバイル株式会社 矢萩 茂樹
著者プロフィール
イー・モバイル株式会社  矢萩 茂樹
2000年、個人で使えるメガレベルのサービスの可能性を目のあたりにしてADSL事業の立ち上げに参加。ADSLによるブロードバンドIPネットワークの設計・企画に従事。その関連業務で気軽に使えるネットワーク監視手法が必要となり、派生的結果としてオープンソースベースのツールをInternetWeekなどで紹介するに至る。現在、空気媒体のブロードバンド実現に向けて奮闘中。


INDEX
第9回:トラフィック監視(後編)
はじめに
  複数の対象についての監視
  IPアドレスを持たないポートのトラフィック監視