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期待と苦労もシュレッダーに
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ある日、著者はオフィスで提案書をシュレッダーにかけていました。お客様に提案したものだったらまだよかったのですが、これは日の目をみることすらままならなかった提案書でした。「こういうことはよくある」と自分に言い聞かせましたが、頭でわかっていても気持ちは青いままです。
「はぁ」とため息をつき、目を閉じて天井を仰ぎました。「こういうことってなくならないよね」と自分にいいきかせながら、気にしていないフリをしつつ席に戻りました。
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社内管理体制の構築の必要性
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営利を目的とする企業にとって、利益を確保して売上を伸ばし、企業を成長させることは重要な課題です。そして企業の成長にあたって、事業規模の拡大に合わせた社内の管理体制の構築が必要です。
急成長の企業においては株式市場への上場を目指すことが1つの目標となっておりますが、成長に合わせた管理体制が不十分なケースが多く見受けられます。マザーズ/ヘラクレスといった新興企業向けの市場が設立され、上場基準が大きく緩和されたとはいえ、上場基準をクリアするためには社内管理体制を整えることが重要です。
そういったことを受け、当社では「上場間際に大きなコストはかけられないが、社内の管理体制を整備する必要がある」企業向けの管理会計システムの構築を行っています。また、それら企業に対して当社のソリューションを効率的にデリバリするため、定期的に管理会計システムに関するセミナーを開催しています。
セミナー専任のプリセールス担当者がいるわけではなく、広報・マーケティング担当者が主にセミナーのセッティングおよび基調講演を行い、商品に関するプレゼンテーションについては営業担当者が行うといった要領です。
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セミナーを活用した営業活動
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通常、セミナーでそのまま具体的なシステム導入の話になるケースは少なく、後日のセミナー出席者からの問い合わせや、当社からアプローチすることで具体的な商談に発展するケースが多いです。
私もセミナー開催に携わっていましたが、ある日のセミナー終了後に、「先ほど拝見したデモを実際に触りたいのですが、よろしいですか」と私に近づく人物がいました。
笑顔で話しかけてくれたのは、意外にも20代半ばと思われる茶髪で私服姿の方でした。意外というのも、セミナー後に声をかけてくれるのは経営企画部、情報システム部、経理部といったシステム導入に決定権がある部署の方が多く、そういった方々はスーツ姿の方がほとんどだからです。
その方はセミナー出席者のほとんどがスーツの中で非常に目立っていましたが、その時は「恐らく技術者の方で、会計の業務知識の情報収集の目的で出席したのだろう」と思っていました。
当時はカジュアルデーという言葉が使いはじめられた時期でしたが、現在みたいにクールビズで多くの方がネクタイを取るようなことは、ビジネスシーンにおいてはまだまだ珍しかったのです。
「どうぞ、画面を立ち上げますので少々お待ちいただけますか」と、なかなか立ち上がらない画面に苛立ちを感じつつ、いったいどういう目的で質問してきたのか考えながらデモの準備を操作しました。そうこう考えているうちにやっと画面が立ち上がったので、替わってデモの操作を行ってもらいました。
真剣な眼差しでしばらく操作していましたが、しばらくすると一変して、「とても綺麗な画面ですね。Flashを使っているのですか」と笑顔で質問してくれました。技術的な用語を質問の中に交ぜて話していることから、やはり技術者の方なのかと思いながら応答しました。
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著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ 高橋 明
早稲田大学商学部卒業。大学卒業後日興コーディアル証券にてリテール、法人営業を行う。その後ビーブレイクシステムズの設立に参画し、現在に至る。専門は会計システムに関するコンサルティングセールス。
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