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Javaアプリケーションサーバのクラスタリング機能比較
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第5回:WebLogic Serverで実現するクラスタリング
著者:サンモアテック  高木 基成   2005/11/21
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はじめに

   第5回と第6回では、J2EEに対応した商用のアプリケーションサーバ(APサーバ)である「WebLogic Server」のクラスタリングについて解説します。WebLogic ServerはBEA社によって開発されているJ2EEに対応した高性能なAPサーバです。

   本連載では、WebLogic Server 8.1を前提とします。2005年11月現在の最新版は、WebLogic Server 9.0になりますが、現在はWebLogic Server 8.1の利用者の方が多いのではないでしょうか(筆者の場合、WebLogic Server 9.0を検証中であり、実稼動のアプリケーションはWebLogic Server 8.1を採用しています)。

   今回は、WebLogic Server初心者の方をターゲットにして基本構成とクラスタ設定を解説していきます。各クラスタ機能の解説は次回で掲載します。


WebLogic Serverのオンライン・ドキュメント

   WebLogic Serverの製品マニュアルの大部分はオンラインで公開されており、多くの情報を参照できます。WebLogic Serverに関する情報が必要になれば、まずは製品マニュアルを見ることをお勧めします。

BEA Products のドキュメント
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/index.html
WebLogic Serverの基本構成

   はじめにWebLogic Serverのクラスタを理解するための準備として、ドメイン・管理サーバ・管理対象サーバの定義を確認して、一般的なクラスタの構成を説明します。

一般的なクラスタの構成
図1:一般的なクラスタの構成


ドメイン

   ドメインとはWebLogic Serverインスタンスの基本的な管理単位で、1つ以上のWebLogic Serverインスタンスで構成されており、1つの管理サーバによって管理します。

   ドメインにはWebLogic Serverクラスタと、クラスタ化していないWebLogic Serverインスタンスを含めることができます。また管理サーバ以外のWebLogic Serverインスタンスを管理対象サーバと呼びます。

   WebLogic Serverを使用してアプリケーションを開発するときに、1つのWebLogic Serverインスタンスで作業をしている方が多いと思います。このときのドメインは最小構成であり、1つのWebLogic Serverインスタンスが管理サーバと管理対象サーバのどちらの役割もはたしています。


管理サーバ

   管理サーバはドメイン内に1つだけ存在して、ドメイン内の管理対象サーバを管理・設定します。管理対象サーバを起動するためには、この管理サーバを先に起動しなければなりません。なぜなら管理対象サーバが管理サーバから設定情報を取得するためです。この設定情報は"config.xml"というファイルになります。デフォルトでは以下のパスに保存されています。

BEA_HOME/user_projects/domains/mydomain

   BEA_HOMEはWebLogic Serverをインストールするときに指定するホームディレクトリで、mydomainはドメイン名と同じ名前のフォルダになります。


管理対象サーバ

   管理対象サーバは管理サーバ以外のWebLogic Serverインスタンスになり、複数の管理対象サーバをWebLogic Serverクラスタとして構成することができます。クラスタとして構成すれば、アプリケーションを各管理対象サーバにデプロイすることでフェイルオーバーとロードバランシングを実現できます。ただしクラスタとして構成する管理対象サーバは、同じドメインに存在しなければなりません。

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株式会社サンモアテック 高木 基成
著者プロフィール
株式会社サンモアテック  高木 基成
株式会社サンモアテック 技術開発事業部
2002年入社。システム間連携を実現する各種ミドルウェアの調査・導入に従事。現在、ESBやSOAなどを実現するための新技術検証に携わっている。


INDEX
第5回:WebLogic Serverで実現するクラスタリング
はじめに
  一般的なクラスタ構成
  マシンの作成
  動作確認