ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長 漆原 茂氏
1987年 東京大学工学部卒業。同年沖電気工業入社。同社在籍中1989年より2年間、スタンフォード大学コンピュータシステム研究所客員研究員を勤める。2000年7月、ウルシステムズ株式会社を起業、代表取締役に就任。2006年2月、JASDAQ証券取引所に上場。流通業・製造業・情報サービス業を中心に、戦略的IT投資を成功させる独自のITコンサルティングサービスと、ビジネス革新を支えるソフトウェア開発・販売事業を展開している。
ウルシステムズ株式会社 シニアコンサルタント 小林 博氏
開発会社で10年間、主に通販・流通業向けシステムのSEやPL業務に従事した後、2006年4月にウルシステムズに入社。現在、システムの全体最適化やITガバナンス確立のためのコンサルティングに従事。
オフィス受付
これまでに手がけた開発手法についての書籍やデータベース関連記事が掲載された雑誌が並ぶ。
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漆原氏 現在、大きく2つの事業を行っています。1つ目がKBS(ナレッジベースソリューション)事業、こちらはお客様の戦略的ITへの独自コンサルティングを提供するビジネスです。そしてもう1つがPBS(プロダクトベースソリューション)事業、これは自社製ソフトウェアの開発・販売を行っていくビジネスです。
弊社は設立来KBS事業を中心に成長してきました。KBS事業はコンサルティングのビジネスモデルを取っていますので、人と共に伸ばしていくものです。本事業は現在でも弊社の中核であり、着実に成長させていきたいです。堅調に付加価値を産み出す基盤事業として位置づけています。しかしご存知の通り、人の数に依存している事業モデルだけでは会社の成長に限界があります。一定規模を超えて大きくしようとすると、どうしても現場が疲弊したり品質が落ちたりして無理が出ます。
そこで、2年前からPBS事業に投資をはじめました。KBS事業で得た知見をベースに研究開発投資を行い、弊社ならではのソフトウェアを開発・販売し、大きく利益成長を狙っていきます。この中心となるのが「UMLaut/J-XML」という自社開発のソフトウェアです。
弊社が目指すのは、人月/頭数だけで成長するのではなく、自社の「知恵」に先行投資し、例えばソフトウェア化するなどして大きく伸ばす、という両輪モデルです。これができてはじめて「健全に利益成長できる」IT企業が実現できると考えています。
小林氏 まず、お客様の経営・ビジネスに関して非常に大事なシステムのコンサルティングをしていますので、社内ではお互いの作業内容のレビューを非常に厳しく行っています。その中で、それぞれが切磋琢磨し合い、成果をあげようという姿勢を持っています。
一方で、100名というサイズのせいなのかもしれないのですが、皆非常にフレンドリーでオープンな会社だと思います。和気あいあいとした良い意味でのフレンドリーさと、お客様に提示していくものには厳しく接するという2つの面を兼ね備えています。
小林氏 特定の場合を除き、基本的にはチーム体制でお客様に対して我々のサービスを提供していきます。ただし、そのチームを構成している1人1人の力量やスキルというのが非常に大事になっており、チームではありますが、その個人個人のスキルを前面にだしていく必要があります。
小林氏 やはり日ごろ一番長く接しているのはそのチームのメンバー同士なので、そこが中心になります。チームは少しずつ得意分野の異なる人間同士で構成されていますので、自分と違うスキルやノウハウから刺激を受けながら高めあっていきます。
一方、社内には複数チームの面倒を見るスーパーバイザーという経験豊富なコンサルタントがいて、アドバイスをもらうことができます。また週1回の定例報告や連絡を通じて、チーム外からの刺激を受けるような形ができています。
小林氏 私が主に手がけているのは、ITガバナンスをお客様の中に根付かせていくために、その仕組みを用意する活動になります。単なる開発や技術コンサルとは違い、まさにお客様の心臓部で重要な意味を持つ仕事ですので、非常にやりがいを感じています。
仕事をはじめるきっかけには、営業を通してお話をいただく他に、弊社の手法やスキルを各種媒体で発表してそこからお声をかけていただくという場合もあります。もちろん一度お仕事をさせていただいた方からリピートのお話を受けるケースもあります。
「今、お客様はこんなことで困っている」といったきっかけを入手し、我々コンサルタントがお客様と最初にやり取りさせていただくことになります。そこで実際にお客様と話しながら課題や悩みをつかみ、弊社が提供できるサービス内容や価値を考えていきます。
弊社では、最初から決裁権を持たれている方と直接お話させていただける機会が多く、どんな問題を持っていて、それに対してどのようなサービスを提供できるかということをストレートに話すことができていると思います。
私自身も今現在、お客様の中に入って経営トップの方々と仕事をしています。そこでは、お客様自身が課題を解決しようと思いながらも、それに携わる人材を社内で確保できない場合が多々あります。そこを私たちがお手伝いしています。
経営のダイナミズムや組織上の繊細な課題にも触れながらやっており、ITの先端技術をどれだけ経営の中にきちんと根付かせていくのか、というのが1つ大切なテーマとなっています。そこで私自身が何か新しいノウハウやお客様が持っていなかった価値を提供していきたいと思います。
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