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完全先取り! iPod touch開発

完全先取り! iPod touch開発

第2回:iPod touchの自作アプリケーションが作れる&動かせる!

著者:masuidrive

公開日:2007/11/28(水)

iPhone/iPod touchの開発環境

第1回:iPod touchにアプリケーションがインストールできる不思議」では、iPod touchにアプリケーションをインストール可能にする「JailBreak」の仕組みについて説明しました。

第2回となる今回は、iPod touch向けアプリケーションの開発に先立って、その開発環境の構築について解説します。なおiPod touchとiPhoneの内部はほぼ同じ構成となっており、開発環境を共有することができます。

非公式なSDKとして、現在Intel版Mac OS Xを中心に開発が進められています。2008年2月に公開が予定されている公式のSDKもMac OS X専用になると思われます。

iPod touch向けアプリケーションの開発は、Mac OS Xを使ったクロス開発環境上で行います。当初はIntel版のみでしたが、最近PowerPC上でも開発できるようになりました。前回解説した通り、アプリケーションのコンパイルにはARM版のGCCを使用します。具体的にはiPod touch用のライブラリをインストールした後でARM版GCCを組み込むことで、ARM用の実行ファイルだけでなくiPod touchの機能を利用できるようになります。

今回はIntel版Mac OSX環境の上にiPod touchの開発環境を構築する方法を解説します。

iPod touchのライブラリはiPhoneのファームウェア復元用イメージから取り出します。このイメージは暗号化されおり、通常の方法ではファイルを取り出すことはできません。今回は「vfdecrypt」というツールを使って復号し、ディスクイメージを取り出します(リスト1)。

リスト1:ライブラリを取得するまでの流れ

(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

リスト2:ディレクトリに内容をコピー

(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

リスト3:ディレクトリの確認

(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

取り出したディスクイメージは、開発マシンの「/usr/local/arm-apple-darwin/heavenly」ディレクトリにコピーします(リスト2)。これで、開発機にはiPhoneのディスクイメージが展開されました。正しく展開された場合には、リスト3のように表示されているはずです。

次にクロス開発するためのツール群をインストールします。この開発のためのツール群を「toolchain(ツールチェイン)」と呼びます。今回は、非公式のiPhone用toolchainをインストールします。

Webブラウザで「http://iphone.natetrue.com/iPhoneToolchainv05.dmg」をダウンロード後、ダブルクリックしてマウントします。2つのアプリケーションが用意されており、「iPhoneToolchain → Ooo Shiny!!」の順で実行することで、開発環境のインストールは完了します。

開発環境が正しくインストールされているか確認するために、実際に簡単なアプリケーションをコンパイルしてみましょう。 次のページ


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著者プロフィール
masuidrive
最近は風呂の人と呼ばれるが、別にいつも風呂で仕事なわけじゃない。喫茶店が好きでMacBook proを持って、あちこちのお店で仕事してる。でも良い喫茶店が見つからず、マクドが多いのが残念。
http://masuidrive.jp/


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