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第3回:開発〜保守契約フェーズで重要なポイント

著者:システムインテグレータ  安治 理之   2007/8/27
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開発から保守契約フェーズまでを解説

   「第2回:見積もり〜設計フェーズで重要なポイント」では、案件見積もり/要件定義およびヒアリング/基本設計/詳細設計の各フェーズの解説と、有用なツールの紹介を行いました。

   今回は引き続き、「第1回:プロジェクトマネージャとプロジェクトリーダの役割とは」であげた9つのフェーズから、特に「開発、単体検証フェーズ」を中心にしながらそれぞれのフェーズにおける「便利なツール」と注意点を解説します。

   なお今回も、紹介するツールについて有償のものは【有償】、フリーのものは【フリー】、オープンソースソフトウェアは【オープン】と記載しています。ぜひ導入検討時の参考として頂ければと思います。

開発、単体検証フェーズ

   要件定義、基本・詳細設計でお客様からヒアリングした、課題への解決策や要望を具体化するフェーズです。このフェーズに関しては、様々な開発手法が提唱され、多くの便利ツールが存在しています。

   このフェーズでは、最終納品までに数年を掛けるプロジェクトや、何年も保守を続けながら少しづつ機能を追加してきたプロジェクトなど、様々なパターンのシステム開発プロジェクトが存在しています。

   このため、それぞれのプロジェクトの特性を見極めながら、手法のメリットを組み合わせて効率的に開発できること、また、障害の低減、発見、改修、検証のサイクルが明確になっていることが重要な要素となります。

  • 開発期間:半年
  • 開発メンバー:10人
  • 要件:WEB+DBシステム、B to C

表1:プロジェクトの例

   例えば上記のような条件で新規にシステム開発を行う場合は、「DOA(注1)+モックアップ提示(注2)+アジャイル開発(注3)」の組み合わせに、さらにバグトラッキングシステム(注4)を併用することが検討できるかと思います。

※注1: DOA
Data Oriented Approachの略称。データ中心アプローチと呼ばれるもので、構築するシステムで扱うべきデータの構造やその流れを基に設計する手法。

※注2: モックアップ提示
外見を実物そっくりに見せた模型(画面遷移機能のみがついた画面レイアウトなど)を作成し、提示する手法。

※注3: アジャイル開発
XP(エクストリームプログラミング)に代表される、ある価値観に基づいたソフトウェア開発方法論の総称、XPにはペアプログラミングや、インシデント、問題管理など様々な内容が含まれる。

※注4: バグトラッキングシステム
バグ登録から対応完了など、バグ関連情報を集中管理するシステム。

   なおDOAとモックアップについては、設計時から考察しておくだけでなく、お客様との摺り合わせが必要となることがほとんどです。

   納期の制約やお客様満足度の向上、品質の担保、万一の仕様変更などがあった場合など、様々な要因を考慮しながら、最適な方法を検討する必要があります。


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株式会社システムインテグレータ 安治 理之
著者プロフィール
株式会社システムインテグレータ  安治 理之
物流、顧客管理、生産管理、販売予測、etc対応などの個別システム案件開発から、EC(電子商取引)、LMS(学習管理)、ERPなどのパッケージカスタマイズ開発まで、お客様ごとに異なる案件に対応し続けて幾年月。よりよいオーバーホール手法を求めつつ、現在もフルスクラッチ型案件開発を中心に、稼働を続けるシステムエンジニア。


INDEX
第3回:開発〜保守契約フェーズで重要なポイント
開発から保守契約フェーズまでを解説
  「開発、単体検証」フェーズでの注意点
  「開発、単体検証」フェーズでの便利ツール