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インフラ構築
後悔しないためのインフラ構築の勘所
〜パッケージアプリケーション導入編〜

第3回:パッケージアプリケーションの将来性を見据えたインフラの選定ポイント

著者:日本アイ・ビー・エム  菅野 博貴   2007/4/4
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中堅規模におけるインフラの選定ポイント

   パッケージアプリケーションのインフラの重要性については、前回で解説した。今回はそのインフラの導入について中堅規模のポイントを解説していく。
機能要件と非機能要件

   各企業では、様々な用途でパッケージアプリケーションを利用しているかと思う。そのインフラ選定にあたっては、どの程度のユーザがどういった機能を使用するのかといった観点から要件の検討がはじまるだろう。

   例えば、全社員がWebブラウザから勤怠管理のアプリケーションを使用するといった要件の場合、Webブラウザ上における使い勝手など、いわゆる機能要件については非常に重視され、度重なる検討が行われる。しかしながらその一方で、直接見えづらい非機能要件の観点での検討については価格を重視して後回しにされる、もしくは十分な検討も行わないままインフラ選定してしまうことがある。

機能要件と非機能要件
図1:機能要件と非機能要件

この傾向は、システム構築に精通した人材が少ない、また予算としてまとまったIT投資が難しい中堅規模のケースによく見られる。具体的には、インフラ選定にあたって、導入コストを最重視するという形であらわれる。

   確かに導入時点での投資やハードウェアやソフトウェアの運用保守費用などは抑えることができるかもしれない。しかし災害やウイルスの蔓延など不測の事態が発生した場合に、非機能要件の検討不足から発生する新規コストは、事態が発生してから顕在化することになる。

   例えば大地震が発生した場合に、基幹アプリケーションのシステム可用性を確保していなかったがために、業務運営に関わる重要データをすべて損失、予測もつかない大きな損害を被ることになる。このようなことを事前に洗い出していなければ、事態が発生してからでは遅いのである。


非機能要件の重要性

   筆者は、普段よりユーザ企業のインフラ選定の提案に関わる機会が多いが、ユーザ企業側から非機能要件が明確化されている提案を受けることは多くない。しかし、先にも説明したように非機能要件は重要な項目である。

   そこで、ポイントを4つに絞り(表1)、提案実例を踏まえながら非機能要件を紹介する。

  • 可用性
  • 性能
  • 拡張性
  • システム間の接続性

表1:非機能要件のポイント

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日本アイ・ビー・エム株式会社 菅野 博貴
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社
菅野 博貴

2001年、日本アイ・ビー・エムに入社。入社当初よりISVパッケージのテクニカルサポートに従事。インフラ提案に日々東奔西走中。経営イノベーショングローバルISVソリューションズ所属。


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中堅規模におけるインフラの選定ポイント
  可用性
  システム間の接続性