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第5回:コンタクトセンターで何が起きている?顧客満足度を高めるコンタクトセンター

著者:日本アイ・ビー・エム  藤 泉也   2007/3/1
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顧客との最前線であるコンタクトセンターが抱える課題

   顧客との最前線に位置するコンタクトセンターに求められる役割と期待は、年々重要なものになっている。従来は電話による顧客接点を想定した集中受電センター(コールセンター)が主流であった。最近は顧客との接触が電話、メール、FAX、Webフォームなど様々な手段に派生し、コミュニケーションチャネルが複雑化したため、それらのトランザクションを一元管理するための受付窓口として「コンタクトセンター」という概念が一般化し、定着している。

   業種・業態により事情は異なるが、こうしたセンターを積極的なキャンペーン実施の手段として活用する動きも本格化し、基幹業務系のCRM、SFAシステムと並んで顧客情報の重要な発生源としての地位を占めるようになってきた。

   しかしながらこのコンタクトセンターは、様々な業務領域に対しての普及、展開が進む中で重大な問題を抱えるようになった。表1はコンタクトセンターを運用する企業、またそれらを利用する顧客や消費者から見た課題と問題点の一覧である。
コンタクトセンターを利用する顧客の視点
  • センターへつながりにくい、または長時間待機させられる
  • 応対の質が低く期待通りの回答が得られない
  • たらい回しされた上に同じことを何度も説明しなければならない
コンタクトセンターを持つ企業の視点
  • オペレータの人数やCTI(Computer Telephony Integration)システムのキャパシティなど、限られたリソースをピーク性に応じて最適化できていない
  • 過去の会話履歴や顧客の最新状況を共有できず、応対時間が増加している
  • 要員教育の内容とタイミングを判断する材料がない
  • センター全体の費用対効果や収益管理を行う手段を持たない

表1:コンタクトセンターが抱える課題

   両者の視点は基本的に表裏の関係にあるといってもよい。まず注目したい点はKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)管理やナレッジの可視化を含む情報共有・情報活用の不足に起因する問題が目立っている点だ。

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日本アイ・ビー・エム株式会社  藤 泉也
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社  藤 泉也
1999年、日本アイ・ビー・エムに入社。損害保険会社のシステムインテグレーション、ERPソリューションのセールス・テクニカルサポート担当を経て、2005年からビジネスインテリジェンス、情報共有基盤に関するソリューション提案と技術支援を推進している。活動を通じて企業内情報の「メタボリック症候群」が確実に進行していることを実感。経営イノベーション グローバルISVソリューションズ所属。


INDEX
第5回:コンタクトセンターで何が起きている?顧客満足度を高めるコンタクトセンター
顧客との最前線であるコンタクトセンターが抱える課題
  顧客満足度を実現するコンタクトセンターとは
  オペレータの顧客応対を支援する顧客、製品関連情報の「見える化」