TOPサーバ構築・運用> 企業システムにおいてRed Hat Enterprise Linux 4を採用するメリットとは
仕事で使えるRed Hat Enterprise Linux徹底入門
仕事で使えるRed Hat Enterprise Linux徹底入門

TOP INTERVIEW
話者:レッドハッド  藤田 祐治
        日本ヒューレットパッカード  石積 尚幸   2006/9/29
1   2  次のページ
レッドハット株式会社  藤田 祐治

レッドハット株式会社
代表取締役社長  藤田 祐治(YUJI FUJITA)


早稲田大学政経学部卒。日本アイ・ビー・エムをはじめ、日本オラクル、NTTコミュニケーションズで営業からITソリューション構築など様々な業務に従事し、IT業界におけるキャリアを重ねる。多彩な経験と、営業力を期待され、2005年にレッドハット株式会社の代表取締役社長に就任。


日本ヒューレット・パッカード株式会社
取締役副社長  石積 尚幸(HISAYUKI ISHIZUMI)


小樽商科大学 商学部管理科学科卒業。日本ヒューレット・パッカード株式会社 入社以来、エンジニア、プリセールス、営業などさまざまな業務に従事し、2005年取締役副社長就任。

日本ヒューレット・パッカード株式会社 石積 尚幸
日本の企業向けLinux市場について

— 現在、日本企業において、Linuxはどのように認知され、導入が進んでいるのでしょうか?
石積氏:依然としてクライアントサ−バからWeb化への移行期にあり、中でもリッチクライアントを前提としたRFP案件が増えています。リッチクライアントへの認知が進み、適した業務へは積極的に採用を検討する環境になってきたと考えています。

藤田氏:認識という点では、オープンソースとLinuxは、我々ベンダーとお客様が同じ発言権を持てる新しい形の協力関係の中で、お互いの意見を出しあえる基盤としての位置づけがあると思います。そこから生まれる新しいお客様とのシステム開発、構築のスキームだと考えています。


— Linuxを導入している企業には、どのような業種や会社がありますか?
石積氏:当初は特定のサービス向けが中心で、ファイルサーバやプリントサーバなどにフォーカスし、大規模な人数で作業を行っている現場に「試験的」に導入されていました。

藤田氏 藤田氏:いわゆるエッジアプリケーションから導入が進んできました。しかし去年くらいからは、データベースサーバやアプリケーションサーバといった用途で、ミッションクリティカルな分野への本格的な導入が進んでいます。

石積氏:現在は業種や業態に関わらず、いろいろなお客様がそれぞれの用途を把握・確認した上で導入されるケースが増えています。それも完全なリプレースではなく、初期のTCO削減というメリットを活かして既存のシステムとうまく組み合わせるお客様が多いですね。

藤田氏:矢野経済研究所の調査では、Linuxを選択した理由として「システムインテグレータやベンダーから薦められた」という回答が半分近くを占めています。それだけにシステムインテグレータの方々やベンダーとしての役割は大きなものだと考えています。


— Linuxが企業システムに一層浸透していくには、パートナーやシステムインテグレータへの働きかけなどが必要と考えられています。両社はこうした取り組みについて、どのように進めていくのでしょうか?
石積氏:ミッションクリティカルな用途に浸透してきたことから、サポートサービスをどのような形で支援するかが重要になっていると感じています。これに関してはレッドハット様と協力させていただいており、体制が整ってきたことは確かな感触としてあります。

藤田氏:サポートサービスについてはシステムインテグレータも含めて、利用しやすい形での体制作りがこれから必要な部分だと思います。レッドハットとしては、拡大している市場のニーズに合わせて、サポーターとして成長したいと思います。

石積氏:さらに、ハードウェアとOSだけではシステムは動きませんから、オープンソースから商用まで含めたミドルウェアも重要なポイントになると思います。この部分で、お客様が導入へもう一歩踏み出せる後押しをしたいと考えています。

また、これに関連してオープンソースに関する情報発信も行っています。現在は、主にサポート情報やソフトウェアとハードウェアの組み合わせの検証情報などを中心に、パートナー様にお知らせしています。


HPのLinux戦略について

— HPにおいて、Linux事業は過去から現在まで、どのように推移しているのでしょうか?
石積氏 石積氏:ハードウェアの出荷台数から見ると、純粋にOSとしてLinuxを採用している割合が伸びてきています。今年度は、弊社で確認できるデータにおいて、昨年度比100%程度の成長です。他のOSに比べて伸び率は高いですね。

3年ほど前に、Intelアーキテクチャを中心に、標準的なプラットフォームへ移行しました。インフラを統一することでコストメリットを出すと同時に、OSに関してもお客様に選択肢を持っていただくことを目指しました。

本当は「Linux一本で行きます」と言えればいいのですが(笑)、HPとしては、お客様にその時々で最適なOSを使っていただけるようにするというのが基本的な考え方です。とは言え、事実として、例えばHP ProLiantファミリにおけるOS出荷本数では、Linuxが非常に大きな勢いで伸びています。IT市場全体に、いい意味でLinuxが波及していると感じられる状況ですね。


— Linuxのオープンソースを積極的に導入している業種は?
石積氏:通信や製造、金融を中心に、わりと満遍なく利用していただいています。ただし、まず導入されるのは特定の業務パッケージからとなっています。そこで問題が出なかったことを受けて、横に展開している事例が多いと感じています。

実際にお客様からは、やはり大規模な案件をすべてLinuxサーバにシフトすることに不安を感じているというお話を聞くことがあります。既存のシステムとLinuxサーバを組み合わせたハイブリッドな形で挑戦したいというお客様が増えていますね。

1   2  次のページ

INDEX
TOP INTERVIEW
日本の企業向けLinux市場について
  Red Hatの企業向け戦略について