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HAクラスタソフトウェアの市場動向

市場からみるHAクラスタソフトウェアの採用動向
著者:IDC Japan  田中 久美   2005/12/20
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2004年国内市場規模

   IDC Japanの調査によると、2004年のHAクラスタソフトウェア市場規模は、対前年比17.9%成長の110億円となった。Linux版が前年に比べ1.5倍の売上規模に成長し、市場拡大に貢献している。

   国内市場金額トップシェアは、富士通のPRIMECLUSTERであった。UNIXサーバ「PRIMEPOWER」のハイエンドシフトがライセンス売上増に貢献するとともに、HAシステム化率も上昇した。

   第2位は、東芝ソリューションのClusterPerfectであった。東芝ソリューションはフェイルオーバータイプ以外に、多ノード環境におけるリソースの動的配置(プロビジョニング)を実現するClusterPrefect EXが案件化し、その結果実績が拡大した。

   第3位は、Linux版のパートナー販売が好調に推移したNECのCLUSTERPROとなった。次いでベリタスソフトウェアのVERITAS Clusterと続いている。

2004年国内高可用性クラスタリングソフトウェア市場金額シェア
図1:2004年国内高可用性クラスタリングソフトウェア市場金額シェア
出典:IDC Japan(2005年)


Linux版のマーケットシェア

   最も市場が成長しているLinux版に限定してマーケットシェアを見てみると、トップシェアは公共/文教分野に強く、またx86サーバのリーディングカンパニーであるNECのCLUSTERPROであった。

   国内第2位は、テンアートニが販売するSteelEye TechnologiesのLifeKeeperであった。競合他社がサーバベンダー色が強いなか、ハードウェアに依存しないニュートラルな存在として導入ユーザ数を増やしている。

   国内第3位は、東芝ソリューションのClusterPerfectであった。ClusterPerfect EXがIBMのブレードサーバ環境において、IBMのサーバ管理ツールDirectorと連携し、障害予兆検知から予備サーバにサービスを移動させるまでの一連の動きをサポートしており、こうしたブレードサーバ環境において実績を増やしている。

2004年Linux国内高可用性クラスタリングソフトウェア市場金額シェア
図2:2004年Linux国内高可用性クラスタリングソフトウェア市場金額シェア
出典:IDC Japan(2005年)

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IDC Japan株式会社  田中 久美
著者プロフィール
IDC Japan株式会社  田中 久美
ソフトウェア マーケットアナリスト
IDC Japanのソフトウェア担当マーケットアナリストとして、年間情報提供サービス「Japan Software Infrastructure and Tools」のほか、半期ごとの市場動向調査、市場分析およびカスタム調査分析を担当。対象分野に、サーバーバーチャライゼーションソフトウェア、HAクラスタリングソフトウェアなどがある。
IDCに入社以前は、国内の調査会社において3年以上、サーバー、ソフトウェア、サービスなど幅広いマーケットリサーチを担当。
青山学院大学 国際政治経済学部 国際経営学科卒業。


INDEX
市場からみるHAクラスタソフトウェアの採用動向
  HAクラスタソフトウェアについて
2004年国内市場規模
  Linuxが数量ベースでWindowsやSolarisを上回る