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リッチクライアントCurlの特徴と導入実態
リッチクライアントCurlの特徴と導入実態

第5回:Curlの適用事例(後編)
著者:セントラル・コンピュータ・サービス  松永 俊思
2005/6/13
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Curl適用システムの可能性

   本連載で何度か、Curlは新たな分野のシステム構築として「サーバ依存のない独立したクライアントPCによる分散アプリケーション」であると記載しました。そして前回では、全体を統合して見渡すことが求められているシステムのフロントエンドにふさわしい要素をあわせ持っていると記載しました。

   まさに、「経営情報ポータルシステム」や「個人資産分析ツール」などはその典型的な事例ではないかと思います。これらのシステムの特徴としては他のシステムとの連携がバックグラウンドでおこなわれ、データベースやメッセージ連携を介してより高度なサービスが提供されていることにあります。これらのサービスの提供媒体がWebシステムであることが非常に大きな要因になっていますが、単独のシステムというよりかは他のシステムとの連携がはかられていることで、より付加価値の大きいサービスとして提供されていることが重要と考えられます。

   Curlはシステム連携ができるWebサービスを積極的に推進しています。これは次期Versionにあたる4.0の主要コンセプトとして反映されています。Curlは全てのクライアントPCに入れさせるものではなく、その他のシステムやパッケージと連携を取ることが考えられています。このことで開発生産性だけではなく、システム全体の構成をよりスムーズなものとして、高度なサービスを提供できるプラットフォームを目指しています。

   今後はWebサービスをサポートする他のシステムやパッケージとの連携をとったシステム事例が多数出現してくると思います。また、Curlはこのような構成を実現するために適した技術といえます。


Curl Version 4.0について

   ここからはカール社がパートナー企業に向けて発信したCurl Version 4.0のロードマップを紹介します。これは予定であることに注意してください。Curlが目指す方向性という視点で捕らえていただければと思います。


提供製品、ソリューションの構成について

   現在の最新Versionは2005年4月にリリースされたVersion 3.0.7ですが、この夏にVersion 4.0のリリースが予定されています。同時にソリューションとしてWSDK(WebサービスのためのSDK)がリリースされます。現在はコンポーネントとしてCSK3.0が提供されていますが、WSDKはCSKを含む上位のフレームワークとなる予定です。

   Curl Version 4.0の方向性についてまとめたのが表6になります。

  • Windows/Linux以外のプラットフォームへの移植
  • セキュリティ面として、暗号機能の強化/コードサイニング
  • 外部との連携面として、DLLなどのライブラリ利用の強化
  • GUI面として、GUIコントロールの充実
  • 開発環境面として、作業性・生産性向上のための支援強化

表6:Curlの方向性

   表6の方向性を見てもCurl Version 4.0は幅広いニーズに対応していくスタンスを取っているのが解るとおもいます。クライアントへの対応/セキュリティの強化/外部アプリケーションとの連携は広範囲への対応を考え、GUI開発環境の強化はより開発しやすい環境への対応を目指しています。


終わりに

   現在のCurlを取り巻く動向としては、前回記載している通りに適用システムの広がりとともに導入企業も加速度的に増えてきています。またこれと平行して、導入を支援するパートナー企業や開発技術者も増えています。しかしながら、これらは端緒についたばかりともいえます。多くの方々がCurlを適用するメリットを共有し、Curlでのシステム開発が増えることで、より一層Curlも進化してゆくと考えています。

   この連載ではリッチクライアント製品・技術の中でも、注目の集まっているCurlの特徴と導入事例について紹介しました。リッチクライアントの導入の検討・調査をされている方々の参考となれば幸いです。

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セントラル・コンピュータ・サービス株式会社
著者プロフィール
セントラル・コンピュータ・サービス株式会社  松永 俊思
メインフレーム、クライアントサーバ、Webシステムと基幹系から情報系アプリケーションシステム開発を実施。また、開発支援パッケージとして「MagicAnswer for Notes」(NotesDomino設計要素解析ツール)の製品監修を担当。2002年より営業に転じ、企業の情報システム課題に対する提案を進めている。Curlは次世代アプリケーション像として、2004年より取り扱う。問い合わせE-mail:curlsales@ccs.co.jp


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第5回:Curlの適用事例(後編)
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Curl適用システムの可能性