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XAMLについて
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XAMLは、.NET Frameworkの共通言語仕様「CLS(Common Language Specification)」に基づいたXMLベースのUI開発言語である(図3)。開発環境にはVisual Studioが使え、画面定義はXAML、処理ロジックにはCLS言語(C#、Visual Basicなど)を使う。このため、分業スタイルがとれるようになる。
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図3:XAMLのサンプルコードと描画例 出所:マイクロソフト (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)
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XAML開発環境は、Visual Studio 2005の次期バージョンであるコードネーム「Orcas」から提供される予定である。
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XAMLで書かれたアプリケーションが実行されるまでの仕組みは、大まかには以下のようになる。
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図4:XAMLで書かれたアプリケーションが実行されるまでの仕組み (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)
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- XAML + CLS言語で書かれたプログラム(.xamlファイル)は、コンパイルされて中間言語「IL(Intermediate Language)」に変換される
- 変換されたILファイルはサーバに配置される。配置するILファイルは複数ファイルに分割配置することもでき、アップデートされたファイルだけをクライアントがダウンロードすることが可能となる
- クライアントはブラウザなどからILファイルのURLを指定する
- 指定されたILファイルは、ダウンロードされ、クライアント側の.NET Framework上でWindowsネイティブコードに変換、実行される
- サーバ側のデータにアクセスする場合は、.NET RemotingもしくはXML Webサービス(SOAP)を使いアクセスする
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表2:XAMLで書かれたアプリケーションが実行されるまでの仕組み
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表現力に関しては、LonghornのGUI部分を司るAPI「Avalon」を呼び出すことで実現する。Avalonは、「GPU(Graphics Processing Unit)」と呼ばれる3Dグラフィックス用の演算処理装置を生かした、高度な3D GUIを実現するAPIである。XAMLで記述したアプリケーションは、Avalonを呼び出すことで高度な3D GUIを表現することが可能となる。
Avalonでは、これまでの.NET Frameworkと同じように、開発言語としてC#やVisual Basicなどもサポートする予定である。そのため、それらの言語でもXAMLと同様の機能を使えるが、今日のWebデザイナーがHTMLというマークアップ言語を使い慣れていることを考慮すると、同じマークアップ言語であるXAMLの存在意義は高いといえる。簡単な記述によって高度なGUIが実現できるマークアップ言語の登場は、多くの開発者を3D GUI開発に移行させるトリガーとなるのではないかと筆者は考えている。
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著者プロフィール
株式会社野村総合研究所 田中 達雄
1989年4月に富士通株式会社に入社。ソフトウェア工学を専門分野とし「UMLによるオブジェクト指向開発実践ガイド(技術評論社出版)」を共著。2001年2月に野村総合研究所に入社。現在、情報技術本部にてIT動向の調査と分析を行うITアナリスト集団に所属。Webサービス/BPMなどの統合技術、エンタープライズ・アーキテクチャなどが専門。
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