TOP設計・移行・活用> デスクトップアプリケーションとWebアプリケーションのギャップ
Ajax
Ajaxが開く未来

第1回:Ajaxとは
著者:HOWS  園辺 康弘   2006/3/2
前のページ  1  2   3  次のページ
デスクトップアプリケーションとWebアプリケーションのギャップ

   このギャップの代表は、Webアプリケーション(クラシックモデル)固有の処理待ち時間である。

   多くのWebアプリケーション(クラシックモデル)で処理待ち時間が発生する共通の原因としては、HTMLページのリロードや動的生成、サイズが大きすぎるHTMLページ、サーバサイドロジックの実行終了を待つ同期通信などがあげられる。

   このようなギャップを埋めるためには、リッチクライアント系ソフトウェアを利用する必要があった。

   しかし、不特定多数のユーザに対してサービスするWebアプリケーションは、幅広いプラットフォームにおいてWebブラウザによってプラグインレスで動作するように、オープンスタンダードな技術で開発されるのが望ましい。

   さらに推し進めていえば、先述のiPodのような洗練されたインタラクション・デザインがWebアプリケーション上で実現できないものだろうか。


そしてAjaxが生まれた

   米Google社ではこれまで述べてきた要件を踏まえ多くのWeb技術を検証した結果、総合的判断によって、枯れたオープンスタンダードなWeb要素技術を組み合わせるアプローチで、新しいインタラクション・モデルを持つWebアプリケーションを開発した。

   それらはすでに広く知れわたっている「Google Maps」「Google Suggest」「GMail」などのAjaxを利用したアプリケーションである。そしてこれがAjaxのメジャーデビューとなる。

Google Maps
図2:Google Maps

   メジャーデビューと記したのは、Ajaxは枯れたオープンスタンダードなWeb要素技術を組み合わせるアプローチであることから、すでにどこかで誰かが同じアプローチをとっていた(マイナーデビュー)はずだからである。

   ちなみに、Ajaxは実用(GoogleのAjaxを利用したアプリケーション)からスタートしており、後に米Adaptive Path社のJesse James Garrett氏により命名・定義された(Ajaxの定義については後述する「Ajaxの定義」の項を参照)。

前のページ  1  2   3  次のページ


HOWS  園辺 康弘
著者プロフィール
株式会社HOWS  研究開発担当  園辺 康弘
UNIX系業務システムおよびWebサイトにおけるプログラミング、システムインテグレーション、インフラ構築を経て、システムアーキテクチャの重要性に目覚める。その後、CTOの視点で、現代のSense-React型経営に追従するためのコンポーネント指向のシステムアーキテクチャ、先進テクノロジーの研究活動に従事。現在はAjaxを含むWeb2.0に関わる技術のリサーチと研究に没頭。音楽と馬をこよなく愛する。


INDEX
第1回:Ajaxとは
  はじめに
デスクトップアプリケーションとWebアプリケーションのギャップ
  JavaScript