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エンジニアの人材形成術〜理想的な人脈作り
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理想的な人脈作り

   理想的な人脈作りは、自分がメンターとなることです。

   皆様の中には、「自分には何の能力もカリスマ性もないから、人脈作りなんかできっこない」と最初から諦めている方もいるかも知れません。

   しかし誰もがカリスマ性を持っているはずもありません。しかし自分が他の人より何か少しでも優れていたり、経験が多かったりさえすればメンターになれます。何だって構いません。誰でも何十年生きてきて、発信できる情報はあるはずです。

   では、メンターになってどうするのか。

   まずは自分がメンターとなって、周りの誰かをサポートします(まずは情報提供)。そうすると、そのサポートされた方はあなたのレベルにいずれ近づいてくるはずです。そして、サポートされた方があなたのレベルを超すことになれば、今度は逆にあなたがその方にメンターになってもらうことも可能です。

   もう少し具体的に例をあげましょう。

   例えば、基本情報技術者の資格を保有している方がいたとしましょう。午前問題は平均レベルながら、午後は実務経験を活かして高得点。こんな方はいらっしゃるのではないでしょうか。

   もしかしたら、この方は、実際の業務においても実装がメインで、プログラミングなどには強いものの、上流工程やDBやネットワークには弱いかも知れません。

   そういったときに、自分の元々持っているスキルから、積極的に情報を配信し、誰かをサポートすることで、知識を再度体系化し、逆にJavaやCなど別の言語でチャレンジした方から、新しい知識を得ることができるかも知れません。また、今年新設された情報セキュリティの分野でチャレンジする方は、逆に開発をよく知らないケースが多いので、情報を欲しがっているかも知れません。

   お互いに、助け合う関係を作ることで、あなたのスキルも、人脈とともにあがっていくのです。


Give and Give!?

   よく人間関係は、「Give and Take」といわれます。相手に何かを与える見返りに、自分の欲しいものを得る。このような形で成り立っているといっても間違いではないでしょう。いつも一方的に情報をもらっているばかりでは関係は決して長続きしません。

   文字をよく見てください。TakeよりもGiveが先にきていますよね。本来は、相手にGiveするところからはじまるのです。

   「説得力」で有名なロバート・コンクリン氏は下記のように、自分が望むことがあるなら、まずは相手の望むことをしてあげることといっています。普段から、あまり短絡的な利益を求めずに、なるべく自分から相手に対して提供するものを多くしておくことが人脈形成にも広がるかも知れません。

   ——他人の望むものを彼らに与えればそれだけ、彼らはあなたにあなたの望むものを与えてくれる。説得力(PHP文庫)より抜粋。

   本当に自分が助けを必要としているときになってからでは間に合いませんから、「Give and Give」という心構えを忘れないことは非常に重要です(図2)。

「Give and Give!?」の心構え
図2:「Give and Give!?」の心構え


キャリアコンサルタントだから…

   実は、私もこの「Give and Give」を心がけています。キャリアコンサルタントという職業上、転職に関する知識は幾分か身に付けてきたこともあり、Webサイトに転職に関する記事を掲載したり、勉強会などで人前で話をする機会を作ってきたりもしました。

   自分から積極的に情報発信するからこそ、逆に色々な情報を得ることができ、また普段では知り合うことができなかったような方と接点を持つことができました。そして何よりも、同年代の世代からは「転職のことなら山岸に」という存在になってきたことは、「Give and Give」の心がけがあってこそだと思っています。

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テクノブレーン株式会社 山岸 雅己氏
プロフィール
テクノブレーン株式会社  山岸 雅己氏
1978年生まれ。某外資系H/Wベンダーにて採用業務を経験。現在はエンジニア、コンサルタントを中心に、年間300名以上の方とお会いしている。求人案件紹介のみにとらわれないキャリアの視点からの情報提供を心がけており、今後のキャリアプランをお会いした方と一緒に考えていく。