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オープンソース白書2006
実態調査で見るユーザー企業の利用動向

第2回:サーバーOSの導入状況
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩   2005/9/28
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ほとんどの企業で導入され幅広く使われているWindowsサーバー

ThinkIT会員特典20%OFF    今回の調査では、他サーバーOSとの比較も行っている。Windowsサーバーの導入状況は95%にも達し、ほとんどの企業で導入されている。

社内でのWindowsサーバー導入状況[全体] N=605
図3:社内でのWindowsサーバー導入状況[全体] N=605

   Windowsサーバー上で最も多く稼働しているアプリケーションは「ファイル/プリンタサーバー」が60.2%と最も多く、企業内の部門サーバーとして多く利用されている。「データベース/データウェアハウス」も56.0%となり、データベースサーバーとして使われていることも多いようである。

   全体的には「ウェブサーバー」「メールサーバー」「グループウェア」など、主要アプリケーションで稼働率が高く、幅広く利用されていることがうかがえる。着目すべき点としては「ウイルス/セキュリティ管理」が48.2%で3番目に挙げられている点である。悪質なウイルスの標的にされ、よく脆弱性が指摘されるWindowsではあるが、ユーザーではきちんとした対応がとられているようである。


バックオフィス系システムでの導入が多い商用UNIXサーバー

   商用UNIXサーバーの導入状況は26.4%となっている。なかでも公共や金融・保険業での導入が多く、どちらも過半数以上で導入されている。また、企業規模が大きくなるにつれて導入率が高まっていく傾向があり、主に大規模システムで使用されていることが推測される。

社内での商用UNIXサーバー導入状況[全体] N=605
図4:社内での商用UNIXサーバー導入状況[全体] N=605

   商用UNIXサーバーは「データベース/データウェアハウス」が稼働しているケースが最も多い。また、「ERP/基幹業務パッケージ」も30%の利用率となっており、バックオフィス系での利用が多くなっている。高可用で堅牢な商用UNIXサーバーの主戦場は、ミッションクリティカル性が要求されるバックオフィス系が中心となっている。


Linuxサーバーは拡大し商用UNIXサーバーは縮小の傾向

   各OSの今後の導入予定を比較すると、Linuxは利用台数を拡大していく傾向にあるのに対し、商用UNIXサーバーは縮小傾向にある。

サーバーOS別今後のサーバー導入の考え方
図5:サーバーOS別今後のサーバー導入の考え方
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   この2つのOSはウェブサーバーに適しているという用途面の性質が似ており、商用UNIXサーバーからLinuxサーバーにリプレイスされていくケースが多く含まれていると推測される。Linuxサーバーの拡大傾向と商用UNIXサーバーの縮小傾向は今後も続いていくだろう。その一方で、Windowsサーバーはさまざまな用途で利用されていることもあり、今後の増減についてはっきりとした傾向は示されてない。

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書籍紹介
「Linuxオープンソース白書2006
新たな産業競争力を生む、オープンソース時代の幕開け」

※本連載はインプレスより発行の書籍「Linuxオープンソース白書2006」(ThinkIT監修)から一部抜粋し、転載したものです。
Linuxオープンソース白書 2006
■本書の構成
第1部のユーザー企業利用動向では、605社の情報システム管理者に聞いた独自調査データ177点を掲載。プレゼン用に、すべてのデータをCD-ROMに収録。
第2部の事業者動向では現在から将来のLinuxオープンソースビジネスを解説。
第3部の社会動向ではオープンソースの普及に向けて、教育や法律、そして世界各国の政府から地方自治体の取り組みまでを紹介。
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INDEX
第2回:サーバーOSの導入状況
  確実に定着しているLinuxサーバー
ほとんどの企業で導入され幅広く使われているWindowsサーバー