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情報システム管理部門でのwizpy活用法

著者:ターボリナックス  中尾 貴光   2007/11/19
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wizpy用パッケージの制作環境を整える

   ダウンロードしたファイルを展開し、「appmod-utils-1.1-2.i686.rpm」と「squashfs-tools-3.2-1.i686.rpm」「wizpySDK.pdf」の3つのファイルを取り出します。2つあるrpmファイルをそれぞれTurbolinux FUJI上でインストールしてください。

   amaファイルの作成にはwizpyのシステムのイメージツリーを使用します。なおこのときリードオンリー状態でwizpyをマウントしておくことで、システム領域の破損を防ぐことができます。wizpyをマウントした状態でTurbolinux FUJIの環境にコピーします。

   例としてwizpyを「/mnt/usb2/」にマウントし、「/home/wizpy-root/」にイメージツリーをコピーする場合について説明します。「mkdir /home/wizpy-root」コマンドでディレクトリを作成した後、「rsync -auvKHx /mnt/usb2/ /home/wizpy-root/」コマンドでコピー作業を行います。

   この状態で、用意しているrpmパッケージを「mkamo」コマンドで「amo(Application module object)」ファイルに変換します。「mkamo <wizpy_path> <amo> <rpm...>」の形式で、コピーしたシステムのイメージツリーのパス、amoファイル名、変換したいrpmパッケージをそれぞれ指定します。

   さらにamaに含めるアプリケーション名やバージョン、リリース、ループバックに用いられるファイルシステムといった情報をテキストファイルに記述した「ami(application module information)」ファイルを作成します。

   出来上がったamoおよびamiファイルを「appmod」コマンドを使用して、ama化すれば変換作業は終了です。amaファイルが用意できたらwizpyをUSBディスクとしてマウントし、「/mnt/WIZPY_sdx1(xは任意のアルファベット)/.appmod」にコピーします。コピー後にwizpyからOSを起動します。

図2:
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   wizpyにアプリケーションを追加する方法を説明しましたが、「ama化するにはrpmがないとダメなのか?」という疑問を持たれる方も多いと思います。結論からいえば、他の形式からでも同様にama化することは可能です。

   例えば独自にソースからビルドする必要のあるソフトウェアの場合、そのままではmkamoコマンドによる返還ができません。このため、明示的に作成したディレクトリに必要なモジュールをインストールし、それをamoファイル化していきます。

   このとき、明示的に作成したディレクトリとwizpyのシステムのイメージツリーをunionfsによって仮想的に1つのディレクトリとし、そこにインストール作業を行います。作業後にunionfsでマウントしたディレクトリをアンマウントします。そして明示的に作成したディレクトリから、rpmデータベースやシステムファイル、さらにwizpyシステムで提供しているファイルと同一のファイルを削除します。

   最後にディレクトリそのものを「mksquashfs」コマンドでamo化してください。その後は前述のようにamiファイルの作成とama化作業を行います。なお詳しい解説についてはwizpyアプリケーション開発キットに含まれる「wizpySDK.pdf」を参照してください。

   ただしTurbolinux FUJIで動作確認がされているrpmからamaの変換のほうが、wizpyアプリケーション開発キットに書かれた手順通りで、より簡単に作業することができます。


たとえばこんなソフトもwizpyで持ち歩ける

   このようにwizpyへのアプリケーション追加を行うことで、さまざまなソフトウェアを含めた環境を持ち歩けるようになります。

   例えばゼンドジャパンが提供している「Zend Studio」を組み込んでみるのはいかがでしょうか。Zend Studioは開発期間の短縮とコードのメンテナンス性の高さを要するエンタープライズ向け業務アプリケーション開発に最適なツールといえるでしょう。

   Zend Studioをwizpyにセットアップすれば、会社や自宅、ネットカフェなど場所に縛られずに開発を行い、かつ共同作業が行えるようになります。複数人によるチーム単位で開発を行っていく上で、最適なソリューションになるのではないでしょうか。

   なお、Think ITでは11月末日まで、このZend Studioをインストールしたwizpyが当たる「wizpy+ZendStudioが当たる!」キャンペーンを行っています。ぜひご応募ください。


   PHPは幾多のサイトで利用が進んでいる非常に人気の高いスクリプト言語です。「これからWeb系の開発をしていこう」という方は、ぜひゼンドジャパンが提供している教育や資格などもお試しいただければ幸いです。


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ターボリナックス株式会社 中尾 貴光
著者プロフィール
ターボリナックス株式会社  中尾 貴光
ターボリナックス株式会社にてwizpy事業を統括。Linuxの黎明期よりLinux関連事業にマーケティング職として従事し、Linux/OSSのコモディティー化に貢献する。


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