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チームビルディング
企業価値を高める強いチームの創成

第1回:チームビルディングのフレームワークとは

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/8/3
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強いチームとなるための必須要件

   ここで強いチームを作り上げるためにメンバーに求められる能力を整理してみる。
メンバーに求められる能力
図3:メンバーに求められる能力

   これらの能力を継続的に高めることによって強いチームができ上がっていくものと考える。能力はあくまでもチーム構成メンバーに要求されるものであり、チームビルディングを構成する要素は以下の図4のように考えられる。

チームビルディングに必要な5つの要素
図4:チームビルディングに必要な5つの要素

   先に述べた「メンバーに求められる能力」はこの4つの要素を構成するベースとなるものである。これらは単独に強化するものではなく、それぞれの要素を補完しながら、チームの中で備わっていなければならないものだ。またこれらを双方向に補完しあうために大切な要素として、継続的な学習や論理立てて物を観察して組み立てる能力(ロジカルシンキング)も必要となる。

   ただし、継続的な学習能力やロジカルシンキングなどは、チームとして必要な要素と位置付ける前に、チームメンバーとして必要不可欠な要素と位置付けるべきであろう。

   「目的の共有」とは、経営課題や経営のビジョンや目標をトップから現場レベルまで十分に把握・浸透させることである。これに応じて、各メンバーは必要な能力アップに向けて個人目標に取り組んでいくものである。

   「コミットメント」とは、各メンバーが「いつまでに」「何を」「どのように」「どのレベル」まで実施するかという目標を立て、約束し、達成することである。また自ら立てた目標が計画通りに進まない場合、それを関係者に正確に伝え、即時に計画を修正する能力も求められる。

   「コミュニケーション」とは、進捗状況や問題点などを正確に関係者に伝えられることを特に要求される。個人の問題点や課題、考えられる施策などを関係者に伝えることによって、チーム内の影響を最小限に抑えることを目的とする。

   「顧客視点」とは4つの要素の中で一番重要な位置にあるべきもので、常に「顧客」を念頭においたものでなければならない。顧客の目的を達成するために、チームの目的があり、コミットメントが必要となり、そのためのコミュニケーションを活性化する必要がある。


次回は

   今回は強いチームを創生するためにいくつかのフレームワークについて紹介した。次回は、強いチームを継続的に推進していくための「モベーションの維持とモラルマネージメント」について紹介する。

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株式会社オープンストリーム 赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


INDEX
第1回:チームビルディングのフレームワークとは
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