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第4回:スパムメール対策付きメールサーバを立ち上げる

著者:オープンドリーム  池田 友子   2007/7/30
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ユーザ側の設定でスパム判定をシビアにする

   Spamassassinのベイジアンフィルタを利用する際には、スパムメールを学習させてスパムメールに用いられる単語の頻度辞書を作成しなければなりません。頻度辞書はユーザごとに作成する必要があります。スパムメールかどうかを判断するのは最終的にはユーザだからです。

   ではまず、スパムメールばかりを切り出したファイル(mbox形式)と、非スパムのメールを集めたファイル(mbox形式)を作成し、ホームディレクトリに作成してください。最低でも100通程度学習させないと判定精度は上がりません。

   メールが集まったら、ユーザのホームディレクトリで次のコマンドを実行します。
# sa-learn --spam ---mbox spamfile.txt
#sa-learn --ham --mbox hamfile.txt

   これを行うことでスパム判定をさらにシビアにすることができます。実際の運用状況を見ながら、スパム判定の強弱はユーザが行うべきでしょう。それはホームディレクトリにある「.spamassassin/usr_prefs」で行います。

   ここにある「required_hits 4.5」と設定することで、4.5点以上のメールがスパムと判定されるようになります(デフォルトでは5.0点でスパムメールと判定)。

   以上で設定は完了です。


あとがき

   応用編では、いくつかのサーバの構築やグループウェアの導入をしました。構築作業自体はそんなに難しいものではありませんが、できあがって終了というわけではありません。実際に構築したサーバを運用するという場合にはサーバの安定性や信頼性をを確保しなくてはなりません。頻繁に不具合が起きていてはサーバを構築する意味はありません。適切なセキュリティの設定やシステムのチェックなど、メンテナンスがきちんとされていてはじめてサーバの役割を果たすといえます。

   今回紹介したインストール設定はサーバ構築のはじめの一歩です。日ごろの地道なメンテナンスや機能拡張しながら、それぞれのニーズに合ったサーバを完成させていってください。

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株式会社オープンドリーム 池田 友子
著者プロフィール
株式会社オープンドリーム  池田 友子
ネットワークに興味を持ち、IT業界に足を踏み入れた。Linuxを中心に学んできたが、知識・技術の幅を広げたくなり、オープンドリームに入社。その旺盛な好奇心から、Linux以外の分野にも積極的に取り組んでおり、OS・サーバ・データベース・プログラミングなど、オールマイティなオープンソース技術者を目指して日々修業を続けている。


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