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SUSE Linux Enterprise Server
SUSE Linux Enterprise Serverではじめるエンタープライズサーバ

第1回:ドイツ気質で丹念に作り上げたSUSE Linux Enterprise Server

著者:ノベル   2007/6/21
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SUSE Linux Enterprise Server 10の製品ラインナップ

   SLES10の製品はサブスクリプションと呼ばれる使用権とサポートの組み合わせにより提供されています。サブスクリプションには「Basicサブスクリプション」「Standard Support」「Priority Support」の3種類あり、それぞれテクニカルサポートの有無、サポートレベルにより分別されています。
Basic サブスクリプション Standard Support Priority Support
オンラインによる技術情報
オンラインアップデート
パッチ、サービスパックダウンロード
将来のバージョンアップ
電話サポート ×
メールサポート ×
問い合わせ時間 N/A 9:00〜17:00(平日) 9:00〜21:00(平日)
応答時間 N/A 規定なし 4時間以内応答目標
市場推定価格(1年サブスクリプション) \41,880 \95,880 \179,880

表2:SUSE Linux Enterprise Server 10製品ラインナップ

※注1: 市場推定価格はx86, x86_64, Itanium, IBM POWERプラットフォームの場合
※注2: メディアは別売

   サポートはこれ以外に中堅・大企業向けのエンタープライズレベルのサポートを別途提供しています。また、SLES10の関連製品としてブレードサーバ向けサブスクリプション、ミドルウェアをバンドルしたスタック製品およびデスクトップを提供しています。

関連製品 特徴 価格(1年Basicサブスクリプション)
SLES IBM BladeCenterシャーシサブスクリプション シャーシ単位のBasicサブスクリプションでブレードをFullに搭載したときに50%コスト削減 \293,160
Integrated Stack for SUSE Linux Enterprise SLES10にIBM WebSphere Application Server Community Edition, DB2 Express-Cを無償バンドル。DVDメディアよりSLES, WebSphere, DB2を同時インストール \41,880
SUSE Linux Enterprise Desktop 10 SLES10と同じカーネル、ライブラリを搭載したデスクトップ版 \6,000

表3:SUSE Linux Enterprise Server10関連製品


ミッションクリティカルにもLinuxが採用

   企業活動に直結し、停止することが許されないコアとなるシステムである「ミッションクリティカルシステム」はメインフレーム、UNIXといったベンダーロックインにより実現されてきました。しかし近年、この分野でも費用対効果・柔軟性・拡張性という観点からLinuxの採用が要望されており、SUSE Linux Enterpriseは、この要望に応えるLinuxとして様々なミッションクリティカルシステムに採用されています。

   SUSE Linux Enterpriseはプラットフォームとしての信頼性、またそれを支える可用性、セキュリティなどを実現するための様々な機能を提供しています。また、ノベルはワールドワイドの卓越したサポートおよび、様々な顧客ニーズのIT環境を実現するための技術力を提供し、総合的にお客様のミッションクリティカルシステムの実現をバックアップしています。

   特に金融業、製造業ではいち早くミッションクリティカル分野で採用され、高い評価を得ています。最近の事例としては、ドイツ管制官(DFS)での航空管制システムのプラットフォームとして稼動しています。DFSはドイツ国内のすべての航空管制業務を担当する国営企業で、安全の維持に不可欠な航空管制システムは24×365日稼動し、5秒以上のシステム停止が許されない、まさしくミッションクリティカルシステムです。

   このようにSUSE Linux Enterpriseが持つ高可用性ソリューション(HASI)により信頼性の高いシステムを短時間で、またコストを削減して実現できることが実証されています。

   また劇的に変化していく経営環境において、生き残るためのIT戦略として「ミッションクリティカルシステム」にも信頼性だけではなく変化に追随できるスピードが求められていきます。信頼性が高く柔軟で拡張性のあるノベルのSUSE Linuxをプラットフォームに採用することにより、企業の強みを出せるITシステムを実現することが可能となります。


High Performance Computingでの利用が断トツ

   自然現象のシミュレーションや生物構造の解析などには、膨大な量の数値の計算が必要になります。このような膨大な計算処理を高速にシステムに行わせることを「High Performance Computing」(ハイパフォーマンスコンピューティング)と呼びます。

   これまでは、「スーパーコンピュータ」と呼ばれる特殊なハードウェアとソフトウェアにより構成され高度に最適化されたシステムを利用することが一般的でしたが、最近はより高いパフォーマンスをより低コストで提供できるようにするため、PCで利用されるIntelやAMDといったPCに用いられているCPUを利用したハードウェアを利用して並列処理を行うソフトウェアと組み合わせ構築されることが一般的になり、「HPCクラスタ」と呼ばれます。

   HPCクラスタではOSにLinuxを採用することが一般的です。これは低コストのCPU上でUNIXと同様の機能が利用可能なうえ、必要に応じてユーザによりOSに手を加えることができることがあげられます。中でもSUSE LinuxはAMDの64bitアーキテクチャにいち早く対応し、広大なメモリ空間と多CPU構成をサポートしていることから、HPCクラスタではデファクトスタンダードのOSとして広く使われているのです。

   国内では2004年に産業技術総合研究所で2,400CPUを超える規模のHPCクラスタが稼動したのをはじめとして、最近では東京工業大学で10,000CPUを超える規模のHPCクラスタが稼動しています。これは現在でもアジア最速(全世界9位)を誇っているHPCクラスタなのです。

   また最近ではHPCクラスタは学術研究の領域を超え、企業での採用が加速しています。科学技術計算と同様、従来はスーパーコンピュータが利用されてきた自動車の設計シミュレーションや半導体の設計、金融業におけるリスク分析といった分野で採用が進んでいます。また市況データを分析して自動的に投資対象を決定し証券取引を行う「アルゴリズム取引」への適用も注目されています。

   ノベルでは、PCクラスタにおけるLinux利用を加速するため、HPCクラスタ向けの機能をハードウェアベンダー各社と密に連携し継続的に開発を進めています。またHPCクラスタ向けの独自のライセンス体系を用意するなど、大規模構成となるHPCクラスタにおいても高度な機能をリーズナブルに利用できるプログラムを提供しています。

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「Software For The Open Enterprise」を掲げ、セキュアで生産性を向上させる、費用効率の高いIT環境の構築を可能にするソリューションを提供しています。異機種IT環境を低コストで管理、安全性確保、簡素化、統合することが可能です。


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