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TOMOYO Linux
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第3回:TOMOYO Linuxで管理業務を委託

著者:NTTデータ先端技術  半田 哲夫   2007/7/3
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ここが違うTOMOYO Linux

   普通のシステムであれば、このようなログインシェルと環境を用意してしまうと、exampleユーザとしてログインするだけでシステムを自由に操作できるようになってしまいます。しかしTOMOYO Linuxは、それに当てはまりません。このユーザが、このログインシェルを経由してログインした際に実行させたい作業だけを、TOMOYO Linux側で許可してやればよいのです。

   では実際に登録の流れをみていきます。

   まずexampleユーザとしてsshログインします。すると、rootユーザとしてシェルが実行されます。実行できたことを確認したら一旦ログアウトし、学習モードをオンにします。

   本当のrootユーザとしてログインし、CUIのポリシーエディタ/root/ccstools/editpolicyを実行します。
editpolicy

   すると、図2のように、ドメイン遷移の一覧が階層構造で表示されます。

ドメイン遷移の一覧画面
図2:ドメイン遷移の一覧画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ドメイン名の左側にある「0」という数字は、現在そのドメインに割り当てられているプロファイルの番号です。

   画面をスクロールして/bin/sudobashの行を探してください。図3の赤枠で囲まれている範囲が/bin/sudobashというログインシェルから発生したドメイン遷移で、青枠で囲まれている範囲が/bin/bashというログインシェルから発生したドメイン遷移です。

/bin/sudobashのドメイン
図3:/bin/sudobashのドメイン
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   今回は赤枠の範囲を制御の対象とするので、赤枠の範囲に含まれるドメインをスペースキーで選択してから「s」キーを押し、「1」と入力します(図4)。

学習モード用のプロファイルを割り当てる
図4:学習モード用のプロファイルを割り当てる
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   その後、「Enter」キーを押すと、赤枠の範囲の数字が「0」から「1」に変化したことが確認できます(図5)。

学習モードに切り替わった後の画面
図5:学習モードに切り替わった後の画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   これで、赤枠の範囲が学習モードになりました。では実際に、exampleユーザに行わせたい操作を学習させましょう。ここでは例として、Apacheサーバの再起動だけを行えるようにしてみます。

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NTTデータ先端技術株式会社 半田 哲夫
著者プロフィール
NTTデータ先端技術株式会社  半田 哲夫
2001年4月にNTTデータカスタマサービス株式会社に入社して半年後、OJTのためにNTTデータ技術開発本部へ派遣され、Linuxと出会う。2003年度から原田氏と共にTOMOYO Linuxの研究開発を続けている。


INDEX
第3回:TOMOYO Linuxで管理業務を委託
  TOMOYO Linuxで管理業務を委託
  ログインシェルを使ったドメイン遷移
ここが違うTOMOYO Linux
  実際に操作を学習させよう