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社内SNS構築事例
Know HowからKnow Whoへ 〜社内SNS構築指南

第2回:社内SNSと一般的なSNSの決定的な違い

著者:TIS  倉貫 義人   2007/4/10
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アンテナで必要な情報はもらさずキャッチ

   ブログやブックマーク、コメントなどの機能によって、沢山の情報が社内SNSに溜まってくると、今度は情報の洪水になってしまい、情報を読むことに時間を消費してしまう、という問題が発生します。

   元々、情報共有を実現し、社員の生産性をあげることが狙いであるのに、社内SNSを利用することで余計なコストがかかってしまっては本末転倒です。

   そこで、自分にとって重要な情報だけを漏らさず効率的に読むための機能として、アンテナ機能を用意しています。これは社内SNSに統合された一種のRSSリーダといえます。この機能は、利用者ごとに関連するブログのエントリや掲示板などの最新情報を、システムが定期的に集めて未読既読の管理をしてくれる機能です。
アンテナ
図7:アンテナ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   アンテナが集めてくれる情報は、利用者ごとに変わってきます。表3に、デフォルトで用意されているアンテナを記しました。これ以外にも、自分自身でアンテナを設定することが可能です。

あなたへの連絡
自分宛ての連絡事項や連絡のためのブログ/掲示板があった場合に未読記事として反応します。
コメントの行方
過去にコメントを残したエントリや掲示板に対して新しいコメントが付いた場合に反応します。
ブックマークの行方
ソーシャルブックマークしておいた記事に対してコメントが付いた場合に反応します。
参加グループ
自分が参加しているグループの掲示板に新しい投稿やコメントがあった場合に反応します。
参加イベント
自分が参加しているイベントの掲示板に新しい投稿やコメントがあった場合に反応します。

表3:アンテナの種類


その他の機能

   ほかにも、利用者が限られているからこその機能として、ランキングや利用状況を把握をする機能があります。

   また社内システムではありますが、遊び心も持たせたいと考え、利用者ごとにページのスキンを変更できるようにしたり、ブログのエントリをそのまま「高橋メソッド」のような形でプレゼンテーションができる機能などがあります。

その他の機能
図8:その他の機能
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   今回は、TISで導入した社内SNSの機能のうちの一部を紹介しました。現在、TISの社内SNSは運用状態に入っていますが、それでもまだ開発を続けています。これは、Web 2.0でいう「永遠のベータ版」という考え方を踏襲しています。そのような理由から今後も機能拡張やユーザビリティの向上は続けていく予定です。おそらく、本連載が終了する頃には、また新しい機能が追加されさらに洗練されているでしょう。

   次回は、そのように継続的に機能の改善を加えていくためのプロジェクトの進め方や体制、またAjaxを使ったユーザビリティについて解説していきます。また今回は紹介だけだった、Googleを使った全文検索についてより詳しく紹介します。

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TIS株式会社 倉貫 義人
著者プロフィール
TIS株式会社  倉貫 義人
基盤技術センター所属。社内の技術支援をするかたわら、社内SNS構築のプロジェクトマネージャ兼メインプログラマとして従事している。一方で、eXtreme Programmingというアジャイル開発の研究・実践を行い、XP日本ユーザグループの代表もつとめている。

情報共有ソーシャルウェア/社内SNS「SKIP」
http://www.skipaas.jp/
XP日本ユーザグループ
http://www.xpjug.org/


INDEX
第2回:社内SNSと一般的なSNSの決定的な違い
  社内SNSの特徴と制約
  機能別にみた特徴
  Q&A機能でノウハウの共有
アンテナで必要な情報はもらさずキャッチ