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改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - クラスタ編
第1回:LinuxでもHAクラスタ
著者:
日本ヒューレットパッカード 古賀 政純
2006/12/25
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SGLXのクラスタノードのシステム構成
HAクラスタを実現するすべてのクラスタノードには共有ストレージを接続します。SGLXの一般的なシステム構成を以下に示します。
図1:SGLXのシステム構成例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
SGLXのクラスタノードのローカルディスクにはSGLXがサポートするLinuxが稼動しますが、Linuxがインストールされるシステムディスクにはクラスタノードに搭載されたアレイコントローラによるハードウェアRAIDの構成を組みます。RAID構成を組むことにより、ローカルディスクの一部に障害が発生しても、クラスタノードの稼動を継続させます。
各クラスタノードには、HP Insight Management Agent(IMA)が稼動し、サーバの内蔵ファン、冗長電源、温度などの各種ハードウェアコンポーネントを監視するように構成します。クラスタノードのハードウェアコンポーネントの状態は、ネットワーク上に別途設置したSystems Insight Manager(SIM)監視サーバで閲覧します。
もし、クラスタノード上のハードウェアに障害が発生すると、SIMサーバに障害が通知されます。IMAは障害通知以外にも現在のクラスタノードのハードウェアの状態も表示しますので、管理者はクラスタノードがフェールオーバーしない場合でもそのクラスタノードにアクセスし、冗長コンポーネントの一部の障害状況を把握することが可能となっています。
Serviceguard for Linux Toolkit
SGLXでは、各種アプリケーション(Apache、Samba、Tomcat、NFS、PostgreSQL、MySQL、Sendmail)をクラスタ化するための設定ファイルやモニタリングスクリプトの雛型が用意されています。この雛型はServiceguard for Linux Toolkit(以下、Toolkit)と呼ばれています。
Toolkitはアプリケーションごとに用意されており、HPのWebサイトから無料で入手することが可能です。入手したToolkitは各クラスタノード上で展開し、システム要件を満たすように設定ファイルやスクリプトを変更します。
これらの設定ファイルやスクリプトには、オリジナルのスクリプトを記述するなどのカスタマイズが可能となっており、クラスタ要件が複雑で高度なシステムインテグレーションを必要とする場合でも柔軟に対応できるようになっています。
Toolkitに含まれているモニタリングスクリプトはアプリケーションのプロセスを監視します。監視は定期的に行われ、プロセスが異常な状態になった場合は、モニタリングスクリプトから、そのプロセスの再起動や復旧用スクリプトなどが実行されます。モニタリングスクリプトは様々なカスタマイズが可能となっていますが、主な機能としては以下があげられます。
プロセスの有無の監視
プロセスの再起動
ファイルシステム容量の監視
ログファイルに記録されているエラーメッセージの有無の監視
表3:Toolkitの主な特徴
モニタリングスクリプトを1から作成することもできますが、Toolkitに付属しているスクリプトを雛型として作成するのが一般的です。
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著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純
2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。
INDEX
第1回:LinuxでもHAクラスタ
Red Hat Enterprise Linux 4をベースとしたHAクラスタシステムソリューション
SGLXのクラスタノードのシステム構成
SGLXの共有ストレージ接続構成とストレージパスのフェールオーバー