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徹底比較!! イントラブログ
徹底比較!! イントラブログ

第4回:イントラブログの未来

編者:  ThinkIT編集局
話者:  日立製作所  松本 匡孝
スカイアークシステム  小林 晋也
ドリコム  清水 武
   2007/1/31
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イントラブログを導入することで生まれるメリットを教えてください

日立製作所 松本氏:業務をブログ化することにより以下のメリットが生まれます。全社で共通の業務(お知らせ、通達、幹部メッセージなど)はメールと異なり、カテゴリや検索により必要な時にいつでも閲覧することができるため情報が埋もれません。RSSリーダーによるプッシュ型配信も効果的です。

   組織別・チーム別業務(部門内通達、業務報告、事例情報、プロジェクトなど)は公開範囲を細かく設定できるため、部内やグループ内に限定することで問題案件の早期発見や対策、また案件やプロジェクトのプロセス管理の中で、個人ノウハウの可視化・蓄積・共有する環境が実現します。

   個人の情報発信としては、貴重な体験を持つ社員に会社側が公開を依頼します。例えば難易度の高い認定試験の「合格体験記」、仕事と育児の両立に奮闘する女性の「子育て体験記」、社内の有識者の「見解」などはノウハウを社内に公開し、同じ境遇の社員がコメントを書きあうことでモチベーションを高めることに効果を発揮します。

BOXERBLOG Sonar
図4:BOXERBLOG Sonar
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

スカイアークシステム 小林氏:ブログは様々な情報配信に向いており、企業で活用する場合、数点の使い方が想定されます。1つはイントラネットの社内報、いわゆるCMSとして活用する方法で、投稿者はHTMLを知らなくても簡単に情報配信できるので投稿負荷がかなり軽減されます。そしてメールと違い情報は1つのWebサイトとしてカテゴリや月別などにアーカイブされますので、過去の情報の検索性はメールより高くなります。

   また、個人の備忘録として活用する方法です。アイデアはフリーフォーマットで自由に書けることが大切です。メールやブログやテキストエディタはフリーフォーマットで、自由に情報を書き込むことができますが、ブログにしかない特徴もあります。

   テキストエディタなどでも備忘録はできますが、ブログでは誰でも書き込みを見ることができ、さらに書き込みに対してコメントやトラックバックでフィードバックを貰うことができます。人から意見を貰うことによって自分では見えていなかったことが見えてくることがあります。それによって今まで聞くことが難しかった社員からの意見・アイデアを、組織を超えて共有することができるようになります。

   ブログは、気軽な情報配信・コミュニケーションが情報の「見える化」につながって、社内報・プロジェクト管理・ナレッジ共有・スタッフからの意見の吸い上げ・日報など、様々な分野で活躍しています。

全文検索システム「WiSE MT」
図5:全文検索システム「WiSE MT」

ドリコム 清水氏:社内ブログがもたらす根本的な価値は、ブログを通じた情報共有と社内コミュニケーションの活性化がもたらす「企業力」の向上です。ドリコムブログオフィスを導入頂いている企業様では、社内ブログによって「業務効率化」「営業力」「提案力」「企業文化の醸成と結束強化」「採用力」といった企業力向上に成功している事例がたくさんあります。

   ドリコムブログオフィスは、当初からブログによる社内コミュニケーションの活性化をコンセプトとし、企業力向上のためのキーポイントを押さえた機能を数多く備えています。

   社内ブログ活性化のプロセスは、「1. まずブログ記事が増える」「2. 記事の中からコミュニケーションが生まれる」「3. それが蓄積され再利用される」というサイクルです。例えば1を実現するには、記事の書きやすさとモチベーションの向上が重要です。

   60万人のユーザを抱えるコンシューマ向けブログへのシステム提供の実績を持っているドリコムのシステムは圧倒的な扱いやすさには定評がありますし、足跡機能のような記事を書くモチベーションを向上させるような機能も充実しています。ドリコムの社内ブログは、250社以上の導入実績があり、黎明期から社内ブログ市場を作り上げた実績とノウハウを持つドリコムならではの工夫が、数多く機能に盛り込まれています。

ドリコムブログオフィス「足跡機能とグラフ機能」
図6:ドリコムブログオフィス「足跡機能とグラフ機能」
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


今後追加する予定の機能について教えてください

日立製作所 松本氏:現時点公開できる内容は、他システムとの連携機能とユーザ管理の強化です。RSSリーダーでコメント新着をチェックするためのコメントRSS機能、添付ファイルを既存の文書管理システムから呼び出す自動リンク機能、認証システムのアクセス権の取り込み機能、また組織情報に基づくユーザ管理です。この他にも多くの新機能を予定しています。

スカイアークシステム 小林氏:ブログは投稿数が増えると閲覧・検索が大変になります。SKYARC Enterprise IntraBlogでは、「読みやすく・書きやすく・探しやすい」特徴を向上させ、たくさんのお客様の企業力向上に役立つ機能を多数追加予定です。大きな機能追加としては情報がさらに探しやすくなる機能を追加したいと考えております。

ドリコム 清水氏:ドリコムでは、現在大規模な社内ブログ向けの機能強化をはかっています。中小規模向けの分野では、ASPとパッケージをあわせて250社を超えるお客様に提供し、機能・操作性とも高い評価をいただいています。

   一方で、最近の傾向として数千人から数万人といった単位の非常に大規模な事例や引き合いが増えています。こうした大規模な導入となると、高負荷対策や、ユーザ管理、組織にあわせたアクセスコントロール、セキュリティ、組織ごとのポータル整備など、大規模運用ならではの工夫が多く必要になってきます。

   ドリコムではこうした大規模運用向けの「ドリコムブログオフィスエンタープライズ版」を近々リリースする予定です。

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日立製作所 松本 匡孝
著者プロフィール
日立製作所   松本 匡孝
ブロードバンドサービス本部 コラボレーションウェアビジネスグループ 主任技師
89年株式会社日立製作所入社、05年からBOXERBLOGを担当。

スカイアークシステム 小林 晋也
著者プロフィール
スカイアークシステム   小林 晋也
代表取締役
北海道の機械部品商社から一転して、Web技術企業を北海道帯広市にて起業。現在数多くの大企業ブログを構築し、最近ではイントラブログ統合パッケージ「SKYARC Enterprise IntraBlog」を発表。

ドリコム 清水 武
著者プロフィール
ドリコム   清水 武
事業推進室 室長
1998年、東京大学教養学部卒業。2001年にデロイトトーマツコンサルティングに入社し、事業立上げ・BPRなどの大規模プロジェクトを多数リードした。2004年退社後に渡米しシリコンバレーにてWebデザインやDTPデザインにも携わった。シリコンバレーのダイナミックな起業サイクルを目の当たりにし、かねてからの夢であった「真にテクノロジーベースのベンチャー企業が世界に羽ばたけるための社会づくり」の第一歩を踏み出すべく、ドリコムに入社。ドリコムでは、NEC他多くの企業との事業提携プロジェクトや、マーケティングプロモーションの統括、「ドリコムCMS TypeR」をはじめとした商品プロデュースを推進している。

INDEX
第4回:イントラブログの未来
  イントラブログはどこへ向かうのか
イントラブログを導入することで生まれるメリットを教えてください
  5年後のイントラブログ像はどのようになっているでしょう