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仮想化技術 完全攻略ガイド
Virtual Server 2005 R2で次期Windows Server環境を試す

第8回:Windows Vistaの評価
著者:慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生  小野 雄太郎
2006/11/27
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Virtual Serverを活用しよう

   Virtual Serverを活用した事例として、クラスタサービスの評価環境構築があります。Virtual ServerではSCSIバスの共有がサポートされているため、2つのインスタンスが1つの仮想SCSIディスクを共有して、ゲストOS上でクラスタ構成を構築することが可能です。Virtual Serverを利用することで、追加費用なしにクラスタ環境を実験できます。構築に関する詳しい情報は、参考情報をご覧ください。

   ほかにも、顧客に展開したアプリケーションのバージョン管理として、リリースごとにバーチャルマシン上でシステムを構築し、その環境のバーチャルハードディスクをDVDメディア等で保存し、いつでも環境を再現してテストを実行できるようにしているケースや、差分ディスクや復元ディスクを活用し、各種修正プログラムの適用を検証しているといったケースなどもあります。

   仮想化環境を提供するVirtual Serverをどれだけ活用できるかは、どのように使うかというアイディア次第といえるでしょう。

まとめ

   本記事ではVirtual Serverの主な機能を解説するとともに、次世代のLonghorn ServerとWindows Vistaを使った仮想イントラネット環境をVirtual Server上で構築し、評価やテストが行える環境をご紹介しました。

   Virtual Serverの特徴は複数のバーチャルマシンを同時に実行させ、さらにそれらを容易に構成・管理できるところにあります。本記事で取り上げたもの以外にも、たくさんの機能や活用法があります。最後にVirtual Serverの今後と活用のアイディアをご紹介します。

   ぜひ無償になったVirtual Serverを活用して、スキルアップのための勉強や業務への仮想化環境活用を実現してください。


Windows Virtualization

   Windows VirtualizationとはLonghorn Serverに搭載される予定の仮想化技術です。OSカーネルに仮想化技術が統合され、IntelやAMDがCPUに搭載する仮想化機能をサポートし、仮想化機能がもっともハードウェアに近いところで動作するようになり、ホストも含めたOSインスタンスがWindows Virtualizationの上で動くようになるとされています。

   またWindows Virtualizationでは、Virtual Server/Virtual PCで作成した仮想環境もサポートされ、そのまま移行できる予定です。

参考情報

   Microsoft MVPによるVirtual Server 2005 R2活用に関するコラム。


   Virtual Server 2005を利用した、MicrosoftCluster ServiceやWindows Network Load Balancing Serviceの検証環境構築を解説したコラム。


   Microsoft社内におけるVirtual Server 2005の実運用事例によるガイダンス。

Microsoft IT Showcase:
Virtual Server 2005を使用したMicrosoft ITにおける効率の向上
http://www.microsoft.com/japan/technet/itsolutions/msit/consolidation/
virtualserver2005twp.mspx


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慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生 小野 雄太郎
著者プロフィール
慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生   小野 雄太郎
Microsoft MVP for Windows Server - Networking, Jan 2004 - Jan 2007.
1982年生まれ。エンタープライズネットワークやIPv6といったネットワーク技術のほか、Windows Server Systemの設計や運用などを独学で習得。幅広い分野をひとりでカバーする。MCSEをはじめCCDA/CCNAといったベンダー資格も多数保有する。2004年より慶應義塾大学に在籍中。


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