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はじめようイントラブログ〜コミュニケーションナレッジマネジメント

第1回:喫煙室と飲みュニケーションは重要か
著者:GMO ホスティング & セキュリティ  大澤 貴行   2006/11/8
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変化した環境

   以前は、喫煙室はどの会社にもありました。例えば喫煙室で社長や上司、他部署の人と会ったときに気になってることを気軽に話して、「それいいね!」というようなことが行われていたと思います。そのまま喫煙室で会議になることもあったのではないでしょうか。

   飲みュニケーションも同じだと思います。仕事でもなく、かといってプライベートでもなく、喫煙室やお酒の席、ちょっとした仕事の合間などに行われる中間のコミュニケーションが「社内コミュニケーション」なのです。

   しかし、昨今ではどんどん会社から喫煙室が無くなっていっている傾向にあります。また若い人たちがタバコを吸わなくなってきていますので、さらにコミュニケーションは難しい状況になってきていると思います。

   またもう1つの飲みュニケーションなんて言葉は、もはや死語に近いでしょう。飲みに行くのは歳が近く気の合う人たちのみでしたら、それは単なるプライベートな飲み会です。つまり貴重なそれらの社内コミュニケーションの場が少なくなっている現状があり、また、その力も低下してしまったのです。

もう1つの原因「インターネット環境が生んだ忙しさ」

   さらに、もう1つの原因としてあげられるのが、「仕事が忙しくなりすぎた」ということです。

   インターネット業界でしばしばいわれる言葉で、「ドッグイヤー」という言葉があります。これは、犬は人間の7倍の速さで成長することにかけている言葉です。インターネット業界は変化が激しすぎるため、普通なら7年かかる変化が7倍のたった1年で変化してしまうという意味をあらわしています。筆者もインターネット業界で働いており、昔からそのように感じています。実はこのドッグイヤーとなる原因の1つは、インターネットによる情報伝達力の速さと情報量の多さにあります。

   インターネットはテレビや新聞、雑誌とは比べ物にならないくらいの情報の早さがありますし、情報量も圧倒的に多く、企業は当然のごとく日常的にインターネットをすべてのベースとして仕事をしています。そして次から次へとやってくる膨大な量の情報を迅速に処理しなくてはならなくなり、必然的にドッグイヤーにならざるを得ないのではないかと思います。

現在ではインターネット業界だけではなく、どの会社もインターネットを非常に多く使っています。インターネットで情報を入手し、インターネットでコミュニケーションすることが、多くの会社で普通に行われています。そう考えるとドッグイヤーという言葉はもはやインターネット業界だけではなく、すべての会社にあてはまるようになってしまったのではないでしょうか。

   インターネットが急激に発展して、確かに便利になりましたが、情報量が圧倒的に多くなってしまったために全体的に忙しくなってしまったのではないでしょうか。忙しくなった場合に、やはり真っ先に削られるのがちょっとしたコミュニケーションだと思います。例えばちょっと上司に聞きたいことがあっても、「今忙しいから後にして」ということになってしまいます。

   つまり、「喫煙室や飲みュニケーションが無くなり人間関係が希薄になったこと」と「情報が氾濫して忙しくなってしまったこと」の2つが原因で社内コミュニケーションを行う時間が少なくなってしまい、その力が低下してしまったのだと考えます。


低下した原因
図6:低下した原因

喫煙室や飲みュニケーションの落とし穴

   では、その社内コミュニケーション力を強化するためにはどうすればよいのでしょうか。単純に喫煙室を復活して、飲みュニケーションを強制的に行えばよいのでしょうか。

   もちろんそういうことではありません。タバコを吸う人が少なくなり、お酒離れも進んでいる現在では、無理やりに復活したところで誰も参加しませんので、まったく意味がありません。

   また実際、喫煙室や飲みュニケーションでは大きな問題があります。それは基本的に会話が主体で文字に残らないため非効率であるということです。「あのとき何をいった」とか、「これからこうしていこう」とか、せっかくよいことが決まったとしても議事録を残すわけではありませんので、「言った言わない」になってしまいますし、その場に参加していなかった人にはまったく何も伝わりません。

   つまり重要なのは喫煙室や飲みュニケーションを復活するのではなく、社内コミュニケーション力の強化なのです。

   そのために、まったく別のアプローチで理想の社内コミュニケーションが実現できるのではないでしょうか。そこで次回は理想の社内コミュニケーションを明確にしていくとともに、その強化を推進する「イントラブログ」について紹介します。

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GMO ホスティング & セキュリティ株式会社 大澤 貴行
著者プロフィール
GMO ホスティング & セキュリティ株式会社   大澤 貴行
ラピッドサイト事業本部 本部長 兼 商品企画部長
ホスティングブランド「ラピッドサイト」の責任者としてSaaSの1つの形であるアプリケーションホスティングやWeb 2.0をビジネスに取り入れたWeb2.0 on Businessなどの中小企業に向けた新しいホスティングサービスの提案、啓蒙活動を行う。

ラピッドサイト
http://www.rapidsite.jp/

INDEX
第1回:喫煙室と飲みュニケーションは重要か
  企業内のコミュニケーショントラブル
  崩壊してしまったコミュニケーションは何か
変化した環境