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第4回:Backend Evolution(後編)
著者:はてな  伊藤 直也   2006/10/25
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リバースproxyの構築

   リバースproxyの構築方法と設定の概略を以下に示します。

   まず、2つのサーバーのうち一方にApache 2.2(注6)を、mod_proxy/mod_rewriteを有効にしてインストールします。コンテンツ圧縮を行うためにmod_deflateも有効にしておくと良いでしょう。
※注6: Apache 2.0でもOKですが、後述するmod_proxy_balancerを利用することを考慮してここでは2.2を使います。

   コンパイルはリスト1のように行います。

リスト1:リバースproxy用Apacheのコンパイル
$ tar zxvf httpd-2.2.2.tar.gz
$ cd httpd-2.2.2
$ ./configure --prefix=/usr/local/httpd_docs \
--enable-proxy \
--enable-rewrite \
--enable-deflate \
--with-mpm=prefork
$ make
$ sudo make install

   ここでは、

  • インストール先を/usr/local/httpd_docsに指定
  • mod_proxyを有効
  • mod_rewriteを有効
  • mod_deflateを有効
  • mpmにはpreforkを使用

   というオプションでビルドしています。インストールが完了したら基本設定を行います(ここでは割愛します)。KeepAliveを有効にするのをお忘れなく。

   そしてhttpd.confにリスト2のようにmod_rewriteのルールを記述します。

リスト2:mod_rewriteの設定
RewriteEngine on
RewriteRule ^/images/ - [L]
RewriteRule ^/css/ - [L]
RewriteRule ^/(.*)$ http://192.168.0.10/$1 [P,L]

  • 画像は/images以下にあり、それはリバースproxy自身で処理する
  • スタイルシートは/css以下にあり、それはリバースproxy自身で処理する
  • それ以外はダイナミックコンテンツなので、バックエンドサーバー(ここでは192.168.0.10)にproxyする

   という設定になります。

   もう一方のサーバーはmod_perlを有効にしたApacheをインストールしてアプリケーションサーバーとして構築しておきます。

   これでリバースproxy側にリクエストを行うと、/imagesと/css以外のリクエストはバックエンドのアプリケーションサーバーに転送され、期待した通りに処理が行われることでしょう。

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株式会社はてな 伊藤 直也
著者プロフィール
株式会社はてな  伊藤 直也
取締役最高技術責任者
ブログサービスやソーシャルブックマークなど、はてなの各種サービスの企画、開発を行う。著書に「BlogHacks」(オライリージャパン刊)。「続・初めてのPerl」(オライリージャパン)、「Perl救命病棟」(翔泳社刊)では監訳を務めた。


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第4回:Backend Evolution(後編)
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