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エンタープライズ・サーチ
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第1回:エンタープライズ・サーチが求められる背景
著者:アイ・ティ・アール  上村 陽子   2006/4/5
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企業の投資意欲は増加

   当社では企業のIT部門長を対象にIT投資動向調査を毎年秋に行っていますが、この調査結果には「情報の氾濫を回避し、従業員がそれぞれに必要な情報を効率的に入手できる環境を整備したい」というニーズが明確にあらわれています。

   図1は「注目度が高まりつつある、または今後高まる可能性のあるIT動向」について、企業がどの程度重要と考えているかという回答を示したものです(選択肢は、重要度が「高い」「中」「低い」の3段階)。

主要なIT動向の重要度の分布
図1:主要なIT動向の重要度の分布
出典:「IT投資動向調査2006」CIO Magazine, ITR, ドイツ証券

   図1の選択肢には「ビジネスプロセス・アウトソーシング」「ユーティリティ・コンピューティングの活用」など、今はまだ普及が進んでいないものの、今後重要になると考えられる項目が並んでいますが、この中でも「情報・ナレッジの共有・再利用環境の整備」「全社的なコンテンツ管理インフラの整備」を重要視する企業の割合が非常に高くなっています。

   このことは、膨大な情報を整理したい、蓄積された情報を全社レベルで共有したい、情報をできるだけ再利用してナレッジマネジメントにつなげたいという企業のニーズのあらわれといえるでしょう。

   またこの調査では、図2の同じ選択肢における企業での実施状況も尋ねています。回答の中では、「ASPサービスの利用」「オープンソース・ソフトウェアの活用」「マスターデータの統合」で、すでに実施率が高いことがわかります。「全社的コンテンツ管理インフラの整備」「情報・ナレッジの共有・再利用環境の整備」に目を移すと、やはり何らかの対応を実施している企業が比較的多いのですが、今後(1〜3年以内に)何らかの施策を検討する企業が非常に多いのが特徴です。

図2:主要なIT動向の実施状況
図2:主要なIT動向の実施状況
出典:「IT投資動向調査2006」CIO Magazine, ITR, ドイツ証券

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アイ・ティ・アール  上村 陽子
著者プロフィール
株式会社アイ・ティ・アール  シニア・アナリスト
上村 陽子(かみむら ようこ)

データウェアハウス、BI、CRM、コンテンツ管理分野の市場調査を担当する。慶応義塾大学理工学部卒業後、ユーザ企業の情報システム部門を経て、1999年より現職。


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第1回:エンタープライズ・サーチが求められる背景
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