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ながさきITモデルへの参画 〜 地場SIerの官公庁システム開発奮戦記
ながさきITモデルへの参画 〜 地場SIerの官公庁システム開発奮戦記

第3回:上流工程に携わることによる、本当の意味での下請けからの脱却
著者:ドゥアイネット   穴井 春奈   2006/5/10
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できあがった完成品の使い回しのメリット

   部品の組み立て自体は1社で作成するが、他社はできあがった完成品を使い回せるように共通となるデータ構造体や画面用のスーパークラスなどを用意した。つまり、「共通部品パッケージを作成すること」「手当システム用のフレームワークを作成すること」を考え、それらを当社が用意したのだ。
手当システム概要
図4:手当システム概要
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   図5は、システムの仕様書とは別に作成した共通部品の説明が記載されているインターフェース仕様書となる。

手当システム概要
図5:手当システム概要
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   開発にあたっては、当社が「持家詳細情報パッケージ」を担当し、共通部品の使用方法や画面作成、共通クラスのメソッド使用例とした。「持家詳細情報パッケージ」を動かしながら他社が開発できるように当社が先行して開発を行い、他の開発業者向けにすべてのソースを提供したのだ。

   こうして、当社を含め4社で手当システムの開発がスタートした。一般競争入札で落札した各社が長崎県庁に集まり、システムの概要説明会を行った。

   開発が進むにつれ、構造体や共通部品の改修も必要になってくるが、必ず当社が改修を行い、メールで最新ソースを各社へ送付するというルールを設けた。また、メールでのやり取りはすべて県庁の担当者である今冨氏にもCCで送付することを条件に、共同開発する各社からの仕様に関する質問や共通部品の改修依頼などの連絡を筆者宛に直接メールできるようにした。

   約4ヶ月間に毎日数十通のメールのやり取りを繰り返し、手当システムの一般ユーザ入力機能が完成した。現在、当社は管理者機能を担当しており、仕様書作成と開発を行っている。

このような開発・改修のスタイルになったことへの印象など一言いただければと思います。

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株式会社ドゥアイネット  穴井 春奈
著者プロフィール
株式会社ドゥアイネット   穴井 春奈
システム技術部2課 チーフ。
前職は一般事務。もっと自分にしかできない仕事をしたいという思いから転職を決め、ドゥアイネットに入社して4年。現在は長崎県電子自治体プロジェクトに携わり、設計から開発までをこなす。

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第3回:上流工程に携わることによる、本当の意味での下請けからの脱却
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