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ソーシャル・ネットワーキング・サービスのビジネス利用 |
第3回:ソーシャル・コミュニティ・マーケティングの目的を達成するには
著者:イースリー 戸辺 淳一郎 2006/4/4
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STEP4:イベントの開催
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前回まででコミュニティサイトの立ち上げから集客、そしてコミュニケーションを育むところまでを3段階のSTEPにわけて説明してきました。前回まではコミュニティサイトを盛り上げることを目的としていましたが、そろそろコミュニティサイト設立当初の目的に向けての動きが必要になってきます。当初の目的とは表1の3点です。
- 顧客を増やす
- 顧客の単価(ライフタイムバリュー)を上げる
- 自社ブランドを確立する
表1:コミュニティサイトを立ち上げる目的
前回までのSTEPで表1の1「顧客を増やす」という目的は実現できているといってよいでしょう。実際の会員数はまだ目標に満たないかもしれませんが、妥協することのない質の維持と文化の形成が「唱和する顧客」を生み出しているのです。ここまでのSTEPがうまく実行できていれば、すでに会員が会員を呼ぶという図式ができあがっているはずです。
続いて表1の2「顧客の単価を上げる」と3「自社ブランドを確立する」の目的に向けて、どのような行動を取っていけばよいのか考えなければなりません。
それでは前回までの流れを踏まえて、筆者たちの仮想コミュニティが今どんな状態にあるのかを覗いてみましょう。コミュニティの状態を見る時は会員の日記やグループのトピック、またはグループのイベントなどを見ます。
日記やグループのトピックを見るということですが、会員数が1,000人にも満たないうちは適当に巡回してピックアップしてみるだけで十分でしょう。本連載で利用しているcomnitであれば、管理画面から総合的に日記やグループのトピックを調べることができます。
図1:管理画面からの日記確認 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
今回の例のコミュニティサイトは総合型SNSと違って特化型SNSですので、巡回して見るだけでも会員の興味の方向性などをある程度把握できます。会員数が多くなってきたら、データマイニングツールなどの導入を検討するのもよいでしょう。
オプションですが、comnitにはデータ解析のツールが用意されています。人気のあるグループは何なのか、コミュニティサイト内で影響力を持っている会員は誰かという情報を、コミュニティサイト内での会員の動向から探ることで知ることができます。企業での今後の戦略決定や商品開発の一助となるでしょう。
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会員企画イベントへ事務局が行うべきサポート
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今回紹介している仮想企業「イースリー」にてグループのイベントを調べてみたところ、興味深い動きに気がつきました。事務局側で作成した「フットサルうまくなりたい…」というグループで会員が自発的にイベントを企画しているようです。
図2:会員発のイベント (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
イベント作成者:とべさん
開催日:2006年4月8日
申込期限:2006年4月5日
概要:みんなでフットサルうまくなろうよ!
詳細:●●フットサルコートで11:00〜
定員20名
会員が自発的にグループを立ち上げるという現象は、コミュニティがうまく機能してきていることの証拠です。では、このような会員発の自主イベントなどが開催されはじめた時に、事務局側はどのような行動をとればよいのでしょうか。様々な行動が考えられますが、まずは簡単なことからはじめていけばよいと思います。
そのうちの1つとして、会員が主催したイベントに一緒に参加したり、事務局側が主催となってイベントを開催することがあげられます。ただし、会員が主催したイベントに参加する時には注意が必要です。
せっかく会員が主体性を持って行動しているところに水をさすようなことは絶対にしてはいけません。コミュニティサイトにおいては、会員の主体性は非常に大事なことなのです。この場合、事務局側の人間であるということを隠して参加するのも1つの手です。会員の生の声を聞くよいチャンスとなるでしょう。
今回イースリーは会員の開催した「とべさんのフットサル」イベントに参加しました。事務局側の人間は素性を公表してコミュニティサイト内で会員とコミュニケーションを取っていたので、イベント参加にあたっても素性を隠さずに参加しました。
ただし、事務局側であるということを周りの方が意識しないように、あくまで一個人として参加しました。イベントで会員と近い距離で触れ合うことで、潜在的なニーズや会員の感性などを知ることができました。そこで感じた内容を簡単にまとめると、表2のようになります。
- フットサルをはじめたばかりで、ルールがわからない人も多い
- シューズなどの用具は一通り揃っているが、フットサル専用ではない人も多い
- コミュニティに参加している人が友だちを連れてきているケースがある
- サッカーをプレーしている人は少なく、サッカー観戦専門の人が多い
表2:会員と近い距離で触れ合うことで感じたこと
この感想を元に、「とべさんのフットサル」イベント後に事務局側でイベントを開催することにしました。あるメーカから新しいフットサルシューズが発売するということで、それのプロモーションイベントとして、フットサル大会を開催することにしたのです。前回参加したイベントで感じたことをいかして、初心者に限定した大会にし、その新商品のフットサルシューズの貸し出しサービスを行いました。このサービスにユーザの評価は上々だったようです。
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製品紹介 「SNSエンジン、comnit(コムニット)」
本連載は株式会社イースリーおよび株式会社ラソナの開発したSNSエンジン、comnitの利用ケースをもとに記事を掲載しています。
comnitで作り上げたコミュニティを生かして、お客様のマーケティング手法に合わせた実践的なケースをご紹介いたします。
詳細はコチラ
http://www.comnit.jp/
http://www.e-3.jp/
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著者プロフィール
株式会社イースリー
代表取締役CTO 戸辺淳一郎
2003年8月にイースリーを設立。Webシステム構築の請負、パッケージ開発を行うかたわら自社サービスの展開を目指している。Webアプリの開発の現場においては、最高の品質を提供できるようにすることを追求している。現在では主にプロジェクトマネジメントに携わっているが、現場の技術から離れないように、毎日趣味でのプログラミングも欠かさない。毎日何かを吸収しないと気がすまない。
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