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Big Brother
Big Brotherによるネットワーク監視

第2回:インストールと基本設定
著者:イー・アクセス  矢萩 茂樹   2005/10/5
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はじめに

   前回は監視処理の概要とBig Brother(以下BB)での監視画面と処理イメージまでを説明しました。

   BBのオープンソースバージョンであるBTF(Better Than Free)版はShellスクリプトとC言語プログラムによって記述されており、Linux/Solaris/FreeBSDなど表1のように主要なUnix系OSで稼働します。
インストールができる対象のOS
表1:インストールができる対象のOS
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)

   ソフトウェアの配布は開発元であるクエストソフトウェアにてなされており、以下のURLから入手することができます。

Big Brother System and Network Monitor - Download
http://www.bb4.org/download.html

   商用版であるPE(Professional Edition)版はRPMのようなパッケージになっており、簡単にインストールできるようになっていますが、Windows NT系やRed Hat Linux 7.x、Red Hat Enterprise Server 3.0、SUSE LINUX 8、Solaris 6以上、HP-UX11、AIX 5.2など特定のプラットフォームに限定されることになります。

   対してオープンソース版は、ソースコードをまとめたtarアーカイブの形で配布されます。こちらは監視サーバパッケージとクライアントプローブパッケージがまとめて配布されており、個別にインストールすることになります。

   監視サーバ単体では、前回説明をしたIP死活監視とサービス稼働監視を行うことができます。

   サーバ内部にまでつっこんだリソース監視を行う場合には、それぞれの監視対象に対してクライアントプローブをさらにインストールする必要があります。クライアントプローブの設定は次回以降説明いたします。

   今回はBB BTF(Better Than Free)版の監視サーバをインストールする手順と基本的な設定方法について説明をしていきます。


インストール環境

   まずはインストール環境について説明します。今回はFedora Core 4をターゲット環境として説明していきます。

   Fedora Coreを取り上げる場合に問題となるのは3から導入されているセキュリティ機能拡張のSELinux機能です。これはほかのプラットフォームでは実装されていない機能であり、説明していくうえで混乱することからSELinux機能は停止(disabled)している環境で説明します。この環境での手順はほかのプラットフォームとほぼ共通になるので、ほかのOSへのインストールではこれから説明する方法を参考にしてみてください。

   BBを稼働させるうえで必要となるソフトウェア・ライブラリですが、httpdとテキストブラウザのlynx以外に特殊なものは不要です。lynxはhttpsのサービス稼働確認をする場合に必要となるので、PortsやPackageでインストールしておきましょう。httpdについてはFedora Core 4に標準でついてくるApache 2.0を使用します。インストールで使うディレクトリの位置は、Red Hat系標準の通りで表2のような前提で進めます。

httpd document directory
/var/www/html
httpd cgi-bin directory
/var/www/cgi-bin
bb account home directory
/home/bb
bb server home directory
/home/bb/server
bb data directory
/home/bb/bbvar

表2:ディレクトリの位置


BBサーバのインストール手順概要

   まずは大枠をつかみましょう。BBサーバのインストールは以下のような手順となります。

  1. BB管理ユーザアカウントの作成
  2. BBのダウンロード
  3. ファイルの解凍・展開
  4. BBサーバのコンパイルとインストール
  5. bbディレクトリの権限変更
  6. Webサーバの設定
  7. BB設定ファイルの編集
  8. BBの起動・確認

表3:インストール手順

   以下、各手順について説明していきます。


BB管理ユーザアカウントの作成

   最初にBB管理用アカウントを作成します。ここでユーザ名="bb"(UID=1984)、グループ名="bb"(GID=1984)という管理アカウントを作成し、このアカウントにて設定を行なっていきます。Fedora Core 4ではユーザ作成のコマンドラインは以下のようになります。

[root@bb0.xy.jp ~]# groupadd bb -g 1984
[root@bb0.xy.jp ~]# useradd bb -u 1984 -g bb -d /home/bb
[root@bb0.xy.jp ~]#
   インストール作業においてroot権限が必要な手順があるため、このアカウントからrootになれるようにしておいた方が便利です。各OSに応じた設定をいれておきましょう。


BBのダウンロード

   BBは以下のURLからダウンロードします。

Big Brother System and Network Monitor - Download
http://www.bb4.org/download.html
   画面右上部でUNIX版かWindows版かの選択をするラジオボタンがあるので、必要なプラットフォームの選択をし、「Download Big Brother」ボタンをクリックします。

   次にライセンス許諾画面に推移するので、ライセンス条項に問題なければ「yes」ボタンをクリックしてダウンロードします。

   現在の最新はver1.9hとなっており配布ファイルはbb-1.9h.tar.gzというファイル名になります。今回はBB管理アカウントのHOMEディレクトリ(/home/bb)にダウンロードした前提で説明を続けます。

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イー・アクセス株式会社 矢萩 茂樹
著者プロフィール
イー・アクセス株式会社  矢萩 茂樹
2000年、個人で使えるメガレベルのサービスを目のあたりにして同社立ち上げに参加。ADSLによるブロードバンドIPネットワークの設計・企画に従事。その関連で気軽に使えるネットワーク監視手法についての検討からオープンソースベースのツールをInternetWeekなどで紹介するにいたる。現在、空気媒体のブロードバンド実現に向けて奮闘中。


INDEX
第2回:インストールと基本設定
はじめに
  パッケージの解凍・展開
  後処理:bbディレクトリの権限変更
  BBサーバが稼働しているノードの指定