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オープンソース営業心得
オープンソース営業心得〜営業とはなにか

第4回:Zopeを利用したシステム開発の提案
著者:ビーブレイクシステムズ  高橋 明   2006/2/1
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はじめに

   導入実績を考慮することは営業を行う上で非常に重要なことですが、新製品を開発した場合の販売開始時には実績はありません。新製品を開発する際にはマーケティングをした上で仮説を立てて検証をし、プロジェクトにGOサインがでれば商品開発を行います。そういった世に商品を送り出すという手順は踏みますが、売れるかどうかはやってみなければわかりません。

   また、システムにオープンソースソフトウェアを組み込んで製品として販売する場合、オープンソースソフトウェアにあまり馴染みのない企業の方々には、商用ソフトウェアを販売する場合と比べて受け入れられにくいかもしれません。

   当連載を読んでいる方の中には営業に直接携わっている方、もしくは営業を支援する立場にいる方がいると思います。営業に携わっている方にはわかってもらえると思いますが、オープンソースソフトウェアによるシステム開発を得意としている会社で営業を行う際に次のようなことに直面する可能性があります。

ある案件のシステム構築に関して、顧客のニーズにオープンソースソフトウェアを用いたシステム構築がもっともよいと考えられるが、導入するかどうかは別問題である。

   今回はそんなジレンマに悩む営業現場の声をお届けしたいと思います。


提案の依頼

   ある日のこと、「ご相談したい件があるので、来週のお時間があるときにお越しいただけますか」と、T商会のB氏から電話での呼び出しがありました。T商会は大企業であり、B氏はその情報システム部門のSIerの窓口をしている方です。内容は訪問時に知らせるということだったので、特に事前の準備はせずにT商会を訪問しました。

   当日に打ち合わせの席に着くと、挨拶をそこそこにB氏は「今年度の予算で社員向けのポータルサイトを構築したいと思っています。ただし実装する機能を最低限とし、できる限り低コストでシステムを構築して欲しいのです」と用件を切り出してきました。

   T商会では現在すでにグループウェア/CRM/ワークフローシステム/データ分析ツールを導入しているのですが、それぞれがバラバラに使われており、それらを統合して使いやすくするためのポータルサイトの導入を考えているらしいのです。

社員向けポータルサイト システム構築案
図1:社員向けポータルサイト システム構築案

   ただ、予算については各社から見積りを取ってそれらを元に予算金額を確保するというよりも予算金額を最初から指定され、その範囲内で構築して欲しいとのことでした。このようなケースの場合は予算が少なく、さらに短期間で導入をしなくてはならないケースが多く、当社のエンジニアから様々な意見がでることが予想されました。

   その場では導入時期などのヒアリングおよび今回のシステム構築に係る資料を一式受領して帰社しました。ポータルサイトに求められている主要機能をまとめますと、表1となります。

  • シングルサインオン
  • パーソナライゼイション
  • 統合検索機能
  • システム権限管理

表1:ポータルサイトに必要な主要機能

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株式会社ビーブレイクシステムズ 高橋 明
著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ  高橋 明
早稲田大学商学部卒業。大学卒業後日興コーディアル証券にてリテール、法人営業を行う。その後ビーブレイクシステムズの設立に参画し、現在に至る。専門は会計システムに関するコンサルティングセールス。


INDEX
第4回:Zopeを利用したシステム開発の提案
はじめに
  Zopeを用いた提案
  実績への疑念