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日本オラクル、Linuxサポートプログラム「Oracle Unbreakable Linux」を軸としたLinux戦略を発表

Linuxサポートサービスパートナー

2007/8/31 17:00

「Oracle Unbreakable Linux」を日本でも展開

日本オラクルは8月30日、Linuxサポートプログラム「Oracle Unbreakable Linux」を中心としたLinux戦略を発表した。

これは2006年10月に米Oracleが発表したサポートサービス「Oracle Unbreakable Linux」を軸に、日本において技術者の育成や品質向上をはかるなどLinuxに対する戦略を強化するものである。

今回オラクルが発表したLinuxサービスの重点施策は以下の通り。

  • Linuxのサポートプログラム「Oracle Unbreakable Linux」の提供開始
  • 「Oracle Unbreakable Linux」サポートプログラムのパートナー販売、サポートモデルの確立
  • Linuxに関する研修プログラムと認定資格の開設
  • Linux環境におけるシステム構築、運用のベストプラクティスを公開

日本でも発表となった「Oracle Unbreakable Linux」はLinuxカーネルの不具合を修正した各種修正モジュールの提供やバックポートの実施など、オラクル製品と同等のサービスを提供するもの。サポート開始は9月1日よりとのこと。

これまでオラクルが蓄積してきたサポートのノウハウをLinuxビジネスに展開することで、OSからデータベース、ミドルウェア、アプリケーションまで、ワンストップでオラクルやパートナー企業からサポートプログラムの提供を受けられるメリットがある。

「Oracle Unbreakable Linux」サポートプログラムの詳細
http://www.oracle.co.jp/technologies/linux/

「Oracle Unbreakable Linux」サポートプログラムの価格は以下の通り。

サポート・プログラム 2CPUまで CPU無制限 概要
Enterprise Linux Network Support 12,400円 12,400円 パッチの提供Unbreakable Linux Networkの使用
Enterprise Linux Basic Support 49,900円 124,900円 上記に加えて、24時間365日での技術問い合わせが可能
Enterprise Linux Premier Support 149,900円 249,900円 上記に加え、バックポート修正の提供、Oracle製品と同等のライフタイム・サポート・ポリシーを適用

今回発表されたLinux戦略について、日本オラクル代表取締役社長の新宅氏は「Linuxはローコストでセキュアなプラットフォームである。我々がサポートビジネスに踏み込んだ理由として、顧客がLinuxに対する需要が伸びているためだ。マーケットに支持される製品があれば、我々はサポートしていきたい」とLinux市場に向けた取り組みを語った。

日本オラクル 代表取締役社長 新宅 正明氏(左)、

Oracle Corporation Linuxエンジニアリング担当Vice President Wim Coekaerts氏

Oracle Corporation Linuxエンジニアリング担当Vice PresidentのWim Coekaerts氏は、「これまでも専任のLinuxエンジニアチームを擁して顧客のサポートなどを行ってきた。今回のサポートプログラムによりLinux市場の分裂を回避し、安心して使えるプラットフォームとして発展させていきたい。海外では多くの顧客から大変よい評価をいただいており、サポートコストを65%削減した企業もある」と述べる。

「Oracle Unbreakable Linux」は、「1st Line Support Model」と「Value Add Model」の2つがある。「1st Line Support Model」はSMB市場をターゲットに「Oracle Unbreakable Linux」を、パートナー各社から顧客に販売およびサポートするモデル。

「Value Add Model」はエンタープライズ市場向けに、パートナー企業各社が従来より提供しているRed Hat Enterprise Linuxを対象としたLinuxサポートに「Oracle Unbreakable Linux」サポートプログラムの一部または全部を付加して提供するモデルとのこと。

「1st Line Support Model」のパートナー企業は伊藤忠テクノサイエンス、デル、ミラクル・リナックス、新日鉄ソリューションズ、NTTデータ先端技術、サイオステクノロジーの6社。「Value Add Model」のパートナーは日立製作所、NECの2社(8月末時点)。

ほかにも、Linuxカーネルの品質向上を目的としたサポートセンター「Enterprise Linux Joint Support Center」の設立が発表された。これはLinuxに関する技術やノウハウをパートナー企業とオラクルが協業して、Linuxカーネルの不具合や障害をいち早く発見し修正プログラムの提供やハードウェアの動作確認などを行うためのものだ。

なおオラクルは、Red Hat Enterprise Linuxを導入していない顧客向けに、Red Hat Enterprise Linuxと互換性のある「Enterprise Linux for x86/x86-64」を提供する。これはRed Hat Enterprise Linuxの最新版との互換性を保証しているとのこと。これらはオラクルのWebサイトから入手可能。

Oracle E-Delivery
http://edelivery.oracle.com/linux

またOracle Certification Programの一環として、新たな認定資格「Oracle Expert Program:Managing Oracle Database on Linux Certified Expert」を新設し、10月より順次開講する予定だ。

問い合わせ先

日本オラクル株式会社

URL:http://www.oracle.co.jp/

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(ThinkIT編集局  森谷 一敏)