ターボリナックス、プロダクトロードマップとサポートポリシーを発表
Linuxロードマップポリシー
2007/8/29 17:40
サーバ/デスクトップのコア共通化やメジャーバージョンアップを明確化
ターボリナックスは8月29日、同社が提供している「Turbolinux OS」のプロダクトロードマップおよびサポートポリシーを発表した。
まずターボリナックス 代表取締役社長兼CEOの矢野 広一氏が、企業でのIT導入の課題として以下の4つの点について語った。
ターボリナックス 代表取締役社長兼CEO 矢野 広一氏
- Windowsとオープンソースソフトウェアの混在
- サーバアプリケーションとクライアントアプリケーションの混在
- セキュリティが市場で注目されている
- 圧倒的なコスト削減を求める
これらの課題をあげた上で「さらに企業では極端な変化は好まれていない」とし、矢野氏は「日本のLinuxリーディングカンパニーとして、停滞しているIT産業に風穴を開けて行きたい」と抱負を語った。
続けて同社の技術本部 本部長 高橋 功至氏が今後のTurbolinux OSのポリシーについて解説した。
ターボリナックス 技術本部 本部長 高橋 功至氏
これまで同社では明確な製品ポリシーを提示しておらず、今回がはじめての表明となる。主なポイントは以下の通りとのことだ。
- Kernelおよびコアコンポーネントは全製品で共通化する
- サーバ/デスクトップ版ともに、24ヶ月のサイクルでメジャーバージョンアップを行う
- 新規ハードウェアに向けたサービスパックを提供する
- OEMなど派生製品のコアについてもこれに準拠する
コアの共通化については32および64bit版それぞれに共通ソースコードを利用することで、動作検証の負担を少なくできるとのこと。コアのメンテナンスは常時行われるとのことだが、コンポーネント個別ではUpstreamの状況と照らし合わせ、バージョンアップを行うケースもあるという。
このポリシーの適用は2008年発売予定の次期デスクトップ版から行われる。
続いて同社 事業推進本部 本部長 森蔭 政幸氏が新しいサーバ版についての製品紹介を行った。
ターボリナックス 事業推進本部 本部長 森蔭 政幸氏
ターゲットとなるセグメントとして、比較的低価格帯に属するIAサーバやこれまでデスクトップとして利用してきたPCのリサイクルといった分野をあげる。顧客の要求やこれから求められるポイントとして、新サーバOSでは以下の5つの点に注力しているとのことだ。
- ハイパフォーマンス・低価格
- LAMP/LAPPに特化したプラットフォーム
- 負荷分散を実現するCluster LoadBalancer
- セキュリティ、運用管理ツールに対応予定
- 簡単インストール/導入可否簡単診断サービス
さらにZend製品との組み合わせによるPHPの高速なプラットフォームを目指している。2007年9月中旬にはパブリックベータ版の公開を予定しており、同年11月に製品の発売を開始するとのことだ。
最後に同社 wizpy事業部 部長 中尾 貴光氏が、新たなシンクライアントソリューション「wizpy Style Secure Solution」を紹介した。
ターボリナックス wizpy事業部 部長 中尾 貴光氏
これはクライアント/サーバ型のWindowsシンクライアント製品で、既存のデスクトップ/ノートPCをシンクライアント化できるものだ。
昨今、情報漏洩などの問題が取りざたされる中でセキュアクライアントの必要性が高まっていることを受けてリリースするものだという。特にクライアントの動作環境が、クロック周波数700MHz以上のCeleron搭載機種という非常にロースペックなものでも利用可能な点は、既存資産を有効に活用できる製品であるといえる。すでに大洸ホールディングスでは、同ソリューションを導入しているとのことだ。
(ThinkIT編集局 神保 暢雄)